二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】椿の化身は彷徨い続ける—。 ( No.27 )
日時: 2010/04/17 15:28
名前: Ive (ID: Rl.Tjeyz)

【三話】新しき仲間に迎えられ椿花


「・・・我は椿。よろしゅうな。」

淡々と良く通る声で挨拶をした。

「椿は此処来て間もないから親切にしてやれよ。」

友里亜が言うと隊士達は一斉に返事をした。

心なしか皆喜んでいる。

「今日は歓迎会ですかィ。酒が飲めて良いですねィ友里亜?」

壁に寄りかかって眠っていた沖田が話しかけると

「だな。あー酒久しぶり・・・。」

大きく伸びをして椿の方を向く友里亜。

「椿って酒飲める?」

「・・・?さけ・・・とは何だ?多分大丈夫だろう・・・。」

「・・・そうですかィ。」

「ま、まずは此処に慣れなきゃいけねぇな。案内するよ。」

そう言って立ち上がった友里亜は近藤のもとへ行って許可を得た。

「OKだってさ。じゃ行こう椿。」

「うむ・・・。」

「暇だし俺も行きまさァ。」

「そう。」

宴会までの時間、広い屯所内全てを案内した。

途中で町に出て団子屋などによって椿とは少し打ち解けられた。

そして宴会。

男共の酒臭さとうるささの中で友里亜と椿は浮いていた。

その容姿の端麗さもそうだったが落ち着いた雰囲気で居心地の良さそうな物だった。

「相変わらずうるせぇ奴らだな・・・。」

「・・・友里亜は未成年ではないのか?」

酒を水のように飲む友里亜に椿が不思議そうに言った。

「そんなの守る奴の方が少ねぇよ。」

「・・・警察がこれじゃあな・・・守る人もいなくなってしまうな。」

椿が笑って言うと友里亜も笑った。

「近寄りがたい雰囲気ですねィ。女同士ってのは。」

「そう言いながらも近寄ってきてるお前は何だ?」

薄く笑いながら言うと沖田が酒を勧めた。

「みんな相当酔ってやすねィ・・・。」

べろべろになった隊士達を一瞥して明らかにわかる。

「お前は酔うなよ?酔うと達悪ぃんだからよ・・・。」

「もう遅いでさァ。結構俺も酔ってやすぜィ。」

少し顔が赤くなってきた沖田に友里亜が後ずさりした。

「・・・友里亜は酒が強いな・・・。」

椿も感心したように言う。

「椿もだろ?俺と同じペースでずっと飲んでんのに全く酔ってないし。」

酔っぱらって抱きつく沖田の頭を押さえつけながら答える。

「此処は良いな・・・。皆が温かい・・・。」

微笑んだ椿は嬉しさと同時に悲しさも思わせた。

「・・・俺も最初そう思った・・・。」

宴会が終わった後も二人は縁側で話していた。

「このまま色々と思い出せると良いな。」

「そうじゃの・・・。友里亜と一緒なら大丈夫そうじゃ。」

その言葉に友里亜は少し照れたが椿はにこにこと笑っていた。