二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぷよぷよ7 僕達のプリンプタウン ( No.2 )
日時: 2010/04/28 16:11
名前: リジェル ◆mWmyLN68N. (ID: SsRumGYI)
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/aoi_kagamine_rin

「君、大丈夫・・・・?」

何でか、少し調子抜けするような、ほのぼのとした声で、僕は目を覚ました。

横になる僕を上からのぞくように、眠たそうな紅と蒼の瞳がこちらをじっと見つめている。

(ここは・・)

何処なんだ?本当に、さっきからそのことばっかり考えている。ここは・・・どこなんだ?

よく見ると、さっきいた野原とは、また違うところに来ている。学校・・、なのか?

建築100年建つかたたないか位の、古風な面影を残した校舎のなか、僕は白イベットの上に寝かされていた。

「君・・・大丈夫?」

少年は、もう一度、同じ言葉をつむぐと、葉っぱで切れた僕の頬にそっと触れた。

「痛そう。」

そう、彼はつぶやいた。あまり、感情を面に出さないタイプのようだ。

僕的に、あまりそういう奴はタイプではない、むしろ苦手なタイプだ。だが、彼は、なんとなくほっとけない、そんな気がした。

彼の青く後ろで結ばれた髪の毛が、カーテンを通して入った風にユラユラ、とゆれ、桜のにおいがほのかに漂う。

「僕は、平気。君は・・・・?」

やっとでた最初の一言だった。何もかも訳の分からない状況。一瞬夢かもしれないとも思った。

だが、どうやら、ここは現実世界のようだ。いや、現実から離れたもう一つの世界だ。

「僕はシグ。よろしく。」

「僕は、秀太って言うんだ。よろしくね、シグ。」

当然のように出した右手に、シグは少し戸惑ったように、左手をベットの下で動かした。

「どうしたの?握手とかって、嫌い?」

「・・・いや、僕・・・。」

シグの出した、左手は———紅かった。

例えるならば、怪物のような鋭くとがった指先に、血のような、紅。そこだけ見ると、モンスターにも見える。

シグはきっと、いや、絶対に気にしているのだ。

その手を見られることによって浮かぶ人の反応が、ある程度目に見えている、とシグの潤んだ眼が教えてくれた。

だが、どうしたら、人の手がこんな風になってしまうのか。まあ、今はシグの機嫌を戻すほうが先だが。

「僕は、そんなこと、気にしないよ。ほら、手を貸して。」

強く握り締めたシグの手は、思った以上に固かった。