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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ひぐらしのなく頃に 闇零し編 ( No.3 )
- 日時: 2010/05/10 20:32
- 名前: 電気女 (ID: WPWjN3c4)
TIPS【 そして世界は壊される 】
質問タイム(一時間目)。
「えっと、魅ぃちゃんって呼んでいいかな? かな?」
「もっちろん! んじゃ、あたしはレナって呼ばせてもらうね!」
「はぅ〜、よろしくね、魅ぃちゃん!」
一時間目も終了に近づき、騒がしかった教室内は徐々に落ち着きを取り戻していった。
質問攻めにあっていた圭一はぐったりとしており、あまり馴染めている感は無い。
しかし同じく質問攻めにあっていたはずのレナはとても元気で、しかもすっかりと馴染んでいた。
はぁ、と圭一が居心地悪そうにため息をつく。
今は圭一もレナも自分の席に座っており、二人は隣の席だ。
レナが魅音と嬉々として会話を交わす中、圭一は笑顔を浮かべることもなくただ項垂れていた。
他のクラスメイト達もそろそろ知恵が帰ってくる時間ということもあり、席へとつきはじめている。
魅音の席は圭一の前。委員長である彼女と仲良くなれば、一層早くクラスに溶け込めることだろう。
圭一はそれが分かっていたが、けれど魅音と気軽に話すなんてことできそうになかった。
人見知り。それもある。だが、圭一は正直、この学校で馴染もうとは考えていなかった。
彼の生きてきた世界は、そんな世界だったから。
「圭ちゃん、」
けれど、そんな世界は壊される。
「圭ちゃん!」
この、彼女魅音、そして雛見沢の仲間達によって。
「圭ちゃんッ!!」
「え、……俺のこと?」
「そーだよー!」
今まで自分の名前を呼ばれているなど思いもしなかった圭一は、魅音に戸惑いを覚える。
魅音は別にからかうつもりなどはないらしく、にっこりと笑って言葉を紡いだ。
「圭ちゃん。……で、いいよね? あたしのことは、魅音って呼んで!」
今まで光の射すことのなかった彼の世界に、途端に光は満ち溢れてきた。
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