二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: DQスターズ ー神と魔王と星の主ー ( No.12 )
- 日時: 2010/08/23 04:26
- 名前: L.O.B. ◆x1uH80VgBs (ID: x8gi1/u3)
スライムベスのベスランが仲間になった。
染まる夕日に溶け込むオレンジ色の体は結構いい。いろんな意味で。
変な意味ではない。…と思う。
ラン「はあ…はあ…」
それにしても、まだナメックを追いかけ回していたのか…
武「あんまり無理はするなよ。一応病み上がりなんだし」
ラン「あんたに心配されなくとも別に平気よ」
ナメ「ふう…助かったりゅん…」
ラン「あんた、ホント後で覚えときなさいよ…」
息を切らしながら仲直りでは無いと思われる会話をしている2匹。すると…
町人?「いやー、感動の場面、堪能させてもらったぜ!」
なんとも豪快な見た目と話し方をする男の人が近寄ってきた。
…念の為言っておくが、感動的な場面というのは追いかけ回しではない。多分。
って、誰に言ってるんだろ俺…
武「貴方は…?」
町人?「おれはここで武器屋をしている<クレス>ってもんだ!
所であんたら旅してんだろ? 武器も持たずにか?」
このクレスという人、武器屋なのか。
武「本当は欲しいんですけど、お金が無くて…」
クレス「金が無いだと? しょーがねえな。今回だけタダで譲ってやるよ。いいもん見させて貰った礼も兼ねてな」
いきなり現れてこんな事を言うなんて、あっちの世界だと怪しい事この上ない人間だが、この人はとても悪い人には見えない。
なにより、武器はやっぱり欲しい。
武「いいんですか!?」
クレス「おう、もちろんだ! 付いて来な!」
クレスさんに連れられ、俺達は武器屋へと向かう事に。
クレス「ここがおれの工房だ」
ダン「うわー、すごーい!」
…なんてダンは言っているが、正直武器屋というよりも民家という方が合ってるだろう。
それ程質素な店だった。
クレス「へへ、ありがとな。でもこの町の奴らは魔物使いばっかりでよ。武器の需要なんてほとんどありゃしねえ。おかげでこの有り様よ」
武「でも本当にいいんですか? やっぱりお金は出した方が…」
クレス「おれは金を持ってない奴にたかる趣味はねえし、何より丸腰の旅は危険だろ?
だから、好きなもん持っていけ」
武「ありがとうございます…!」
クレス「いいって事よ!」
見た目はなかなか怖いマッチョマンだが、凄く優しい人だと俺は思った。
クレスさんの好意に甘えて武器を選ぶ俺達。悩んだ末…
俺は竹の槍、ダンはブーメラン、ベスランは…子供用(?)の小さな樫の杖を手に取った。
ラン「ちょっと武! 今私の事心の中で侮辱したでしょ!?」
武「いやいやしてない。ただ、子…魔物用の武器って少ないんだなと思ってね…」
はあ…、大した読心力だ。いや、ただの被害妄想か?
クレス「悪いな。うちはもともと人専門だったんだよ」
武「いえいえ、ありがたい限りです。ただ…」
クレス「どうした? 遠慮せずに言ってみな」
武「その…出来ればでいいんですが、持ち手の後方側にサーベルのようなガードの付いた槍はありませんか?」
クレス「ガードが付いた物は無いが、取り付けるタイプの物ならあると思うぜ。ちょっと探してくらぁ」
武「お願いします…」
そう言ってクレスさんは家の奥へ入っていった。
ナメ「みんな武器が手に入って良かったりゅん」
ダン「でも、僕が使えるかなあ、ブーメランなんて…」
武「まあすぐに慣れるって」
ダン「うん、そうだよね。僕、頑張る!」
…とは言ったものの、実際ブーメランを自在に扱うには相当なテクが必要だったはず。
まあ武器屋に置いてあるブーメランなんだし、素人にも扱える物であると信じたいけど…
ラン「ねえ武。さっきのガードって何よ?」
武「ああ、あれ? ただのこだわり。」
ナメ「こだわりって…。悪い趣味では無いと思うりゅが…」
そんな話をしていると、ちょうどクレスさんが戻ってきた。
クレス「あったぜ。これでいいか?」
俺はもらったおそらく金属製であろう部品を竹の槍に取り付けた。…ぴったりだ。
形は、 ] ←こんな感じ。
武「ぴったりです」
クレス「そうか、そりゃ良かった。
さて、後はそっちのナメクジだけだな」
ナメ「あ、おりゅはもう持ってるから別にいいりゅん」
クレス「そうか? まあ持ってるなら別にいいけどよ」
そもそもハリセンを武器と言っていいかも謎だが。
ダン「ねえ武…。僕眠くなってきちゃった…」
そういえば俺が宿屋でぐーぐー寝てた間、ダンとナメックは散歩にいってたっけ。
武「そうだな。じゃあそろそろ帰るか」
クレス「また何かあったらうちにこいよ!」
武「今日は色々とありがとうございました!」
礼を言った後、俺達は武器屋を後にし、宿に向かった。
そして、到着。
ラン「私はお金払ってくるわ」
おっと、そうだった。ベスランの宿代はまだ払って無かったっけ。
つい忘れがちになる。危ない危ない。
武「さて、俺達は先に上に行くか」
ダン「うん。今日は色々あって疲れたよ〜。」
正直言って疲れるのは俺の方だと思うが、さっき寝たばかりだし、気のせいだろう。
そんなこんなで、俺達は自室に入った。
ダン「ふあ〜、ごめんね。僕先に寝るね…」
武「ああ、お休み…」
ナメ「たまには人間用のベッドに寝てみたいりゅん」
武「それじゃ汚れるから駄目なんだろ」
ナメ「何だか悪口に聞こえりゅが、まあ別にいいりゅん。
それじゃ、お休みりゅん」
武「お休み」
そして2匹に続き、俺も寝る事にした。
ベスランはすぐにやってくるだろう。
うーん、なかなか寝付けない…