二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: DQスターズ ー神と魔王と星の主ー ( No.5 )
- 日時: 2010/08/23 03:42
- 名前: L.O.B. ◆x1uH80VgBs (ID: x8gi1/u3)
モルネスさんからよく分からない神話を聞かされている俺。
武「その神話がどうかしたんですか?」
爺「お前さんが神界に帰れるかもしれないんじゃよ」
武「本当ですか! でもどうすれば…」
爺「異界への扉があれば、その逆、神界への扉もあるはず。それを探し出すんじゃ。」
武「探すって…この異界中をですか!?」
爺「そうじゃ。果てしない旅になるだろうが、恐らくこれ位しか方法はないじゃろう」
冗談ではない。
これだけ広い世界の中で目に見えるかも分からない扉を探し出す等、不可能に近い。
おまけに外は魔物だらけ。これではいくつ命があっても足りない。
すると、モルネスさんが、
爺「だが、今のお前さんではすぐにのびてしまうのがオチじゃろう。
この集落では武器は取り扱っておらんが、魔物の仲間位は作れる。それでも良いか?」
武「仲間なら何でもいいです! それに、人間なんて…」
俺はふと昔の事を思い出した。
まだ学生だった時代。誰とも気が合わず、孤立していた時代…
爺「なんじゃ。訳ありか?
…まあよい。そういう事なら手はずは整えておる」
そう言うと、モルネスさんは指を鳴らそうとした。
パスン…
…失敗した。
年寄りだからしょうがない所もあるが、それにしてもカッコ悪い。
すると、入り口から一匹のドラキーが入ってきた。
さっきのドラきちである。
ドラきち「指位ちゃんと鳴らしてよ! 入りづらいじゃん!」
ドラきち、ナイスツッコミだ。
…よく見ると、ドラきちの後ろにスライムがいる。
爺「やれやれ、年は取りたくないもんじゃ。
さて武よ! ここにおるスライムは、先ほどお前さんが倒した奴じゃ!」
いつになくモルネスさんが力んでいる! 怖い…!
武「ええっ! 俺何か悪い事しましたっ!?」
爺「いや、お前さんは悪くない。むしろ、これは仲間を作るチャンスじゃ!」
とりあえずモルネスさんが怒っていない事が分かり、ほっとした。
武「? どういう事ですか?」
爺「魔物を仲間にするには、まず戦ってこちらの強さを見せつけねばならん。
その後、改心すれば、自分から頼み込むじゃろう。」
それは知っている。俺も結構なDQ通だし。
爺「問題はそこからじゃ。その魔物に向かって、自分の心を開かんといかん。
しかし、それが出来る人間は少ない。お前さんも出来るかどうか分からんぞ?」
…それは初耳だ。
武「やれるだけ、やってみます」
そう言うと俺はスライムの前まで歩いていく。
爺「よいか、まず心で相手を受け入れるんじゃ。
そして目を閉じ、ゆっくりと手をかざして…」
モルネスさんが言い切ろうとしたその時、
スライムの体が強く光り出した…!
俺は目を閉じていたが、それでもすぐに分かった。
爺「おお、あやつめ、やりおったわ…」
俺はゆっくりと目を開けた…
そこには、何となくだが優しい顔付きになったスライムがいた。
スライム「ああ、やっと喋れる! 僕を仲間にしてくれてありがとう!」
あ、喋った。
何というか、反応は薄かった。
恐らくドラきちに慣れていたからだろう。
爺「よくやった! そのスライムに名前を付けてやりなさい」
お気まりのセリフだな。
ここでよく適当な名前をつける人が多いが、俺はよく考えるタイプだ。
う〜ん…
武「よし、お前の名前は<スラダン>だ!」
…
我ながらどうだろうこのセンス。
いざ言ってみると微妙ではあるが…
…なんか恥ずかしいので、これからはダンと呼ぶ事にする…
ダン「うん分かった! よろしくね、武!」
元気があっていい性格だ。
俺がそう思っていると…
爺「無事に済んだみたいじゃな。
これからはお前さんも魔物使いの仲間入りじゃ!」
その目は希望に満ちていた。俺に期待しているのだろうか…?
…まぁお爺さんなら誰にでもある事だろう。
そして俺にも…ね