二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ひぐらしのなく頃に【のんびりと短編集】 ( No.3 )
日時: 2010/06/16 18:36
名前: 水無月 ◆ssY7q3xNgE (ID: KoErH5Nm)
参照: 元雲丹です☆

「百年の想い Ⅱ」

そのとき…。誰かがこっちに来るのを感じて、私は涙がでている目を拭う
一体誰だろう。今の時間はみんな揃ってまだ昼食を食べているはずだ
それを抜かしてきたんだ。きっと私に用なのだろう

「詩音〜、いるのかそこに?」
圭ちゃんだった。圭ちゃんは私を見つけると私のところにやって来た

「詩音、そんなところで何やってんだ。みんな心配してたんだぞ。」
「あ…ごめんなさい。そうですよね。すいません。」

私は素直に謝ってその場を抜け出そうとした。だけど、圭ちゃんは私の手を掴む

「あのさ…、頼ってくれていいんだぜ?」
「……………」
私は黙ることしか出来なかった

「俺たちは仲間だろ。仲間ってのは無条件で相手のことを信じられるんだぜ
 だから詩音が無理な話をしてもちゃんと信じてやれる。詩音…。俺たちには話せないのか?」
圭ちゃんがいつもに増して真剣な顔で私に言う


−圭一ver−

詩音は何か大きな悩みを持っているようだった。そのことには部活メンバー全員が気付いていた

恐らく悟史の事なんだろうな、と直感的に分かってしまった
突然の悟史の復帰。そしてそれを一番に喜ぶべき詩音が悲しんでいる

多分…詩音は悟史に…

そのとき詩音が重い口を開いて言った
「振られたんです…。悟史君に…」
やっぱりか…。予感が的中する
ポツリ…ポツリ…と詩音の目から大粒の涙がこぼれる

それから詩音は今までのことを全て話してくれた…
悟史に惚れた日のことから昨日のことまで…
全てを話した詩音は俺の足元でうずくまって泣いていた…


−詩音ver−

「ありがとうございます…。すべて話したら…ちょっとすっきりしました」
私は涙を拭って、今の自分ができる最高の笑顔で圭ちゃんに笑う。
すると…圭ちゃんが私にこう言った
「あのさ…振られたのは仕方ないんじゃないか?」

私は自分が責められてるように思えて腹が立った
「どうしてですか!?私が何かしましたか!?」
「だって、悟史が詩音と『会った』回数が少ないから告白を断られたんだろ?ならさ…」
圭一は一呼吸置いて言った。

今から悟史にアピールすればいいじゃねえか!

「えっ…!?」
「難しいことじゃない。悟史がお前をよく知らなかったから断っただけのこと
 だからお前がもっと『詩音』を見せ付ければいいんだよ!」
圭ちゃんは自信満々にそうい言う

「でも!一度断られてるんですよ!そんなのどうせ上手くいくわけが…!」
そう言うと圭一は私に怒った

「どうせなんて言葉を使うんじゃねぇ!どうせって言葉はな…やる前に全ての可能性を潰してしまう言葉なんだ!
 だから二度と使うな!それに悟史は詩音のことを嫌いだって言ったわけじゃねえだろ
だからまだ可能性はあるんだ!その可能性を信じろ!
 もしもそれが信じられないなら、俺を信じろ!この前原圭一をな!」

その言葉に胸が熱くなる…
ああ、これが圭ちゃんなんだ。この馬鹿で直情的で…信じられないくらいお人よしな男が…
これこそが…魅音が心奪われた前原圭一なんだ…!
圭ちゃんならどんな問題でも簡単にぶち破ってくれる。そう感じた

だから…私は圭一の言葉を信じることにした

−続く−