二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 空 【銀魂】 ( No.128 )
- 日時: 2010/09/05 22:02
- 名前: アリス (ID: cmeedneH)
05話 隣のガキとかは正直夕方頃になると煩い
あのさ。
何故私は両手両足ガッチリ固定されて、車の助手席に座らされてるの!?
訳が分かんない。
どーして廃刀令なんか出てんの!?
出した奴今すぐ斬る。
「んで、名前は?」
「九条 アリス」
土方とやらはハァ、と溜め息を漏らした。
後ろからはそれを嘲笑うかの様に、クスクスと笑い声が聞こえた。
笑い事じゃない!!
「あはは。アリスちゃん…だっけ?本当に指名手配されてる、九条 アリスなの?」
「さっきから言ってるのに、この石頭が聞かないんだもん!!」
私は後ろにグルリと頭だけを回した。
其処にいたのは、私なんかより数倍綺麗な女の人。
その証拠に隣にいる、女装してる男の子まで少し顔を赤らめていた。
長い黒髪を赤いピンで留めていて。
瞳は緋色。
整った顔立ち。
隣にいる土方なんかより、よっぽど目の保養になる。
「あぁ、名前教えてなかったよね。私は比遊。よろしくね、アリスちゃん」
「あ、あぁ…どうも」
私は縛られたままの格好で、頭を下げた。
縛られたままだったから、バランスを崩し転びそうになった。
そしたらこの隣にいる奴(土方)は、片手で腹を抱えて笑い出す。
少しはデリカシーってものを考えろ馬鹿!!
「まぁ、土方はこんな顔だから怖いかも知れないけど、面白い奴だから存分に構ってあげて?」
「はーい」
「比遊、テメェ俺になんか恨みでもあんのか!?」
笑いながらも、私達は屯所へと確実に近付いていた。
———————————(銀さん目線)
いきなり走り出したと思えば、消えた。
つか、多串君に連れてかれた。
「あれま。さすが攘夷戦争ん時もよく厄介事に巻き込まれてただけあるね」
唯が多串君に連れてかれたアリスを見ながら呟く。
いや、確かにあいつは厄介事に巻き込まれまくってるよな。
つか、あいつのせいで悪いことに巻き込まれるの多いよな。
「ま、あいつのことだ。直ぐに帰って来るだろ」
「無理じゃない?最近新入りさんも増えて来て戦力増強中。確か…雅焔ちゃんに、比遊さん」
「つかテメェが助けに行けよ」
「さすがに私は真選組のモンだからね〜」
ヘラッと笑う唯に何となく苛立ちを感じた。
クソ。
また面倒なことに巻き込まれるのは御免だ。
そう思うのとは反対に、体は俺ん家のお隣に向かっていた。
唯は反対方向に向かう俺を見て、首を傾げた。
「屯所こっちだよ?」
「とりあえず、こっちも戦力増強だよ」
「何?神楽とか新八以外に銀時友達いたの?」
「いるから!!何気に悲しいことサラッと言うな馬鹿!!」
いくら何でもあいつ等しか友達がいないのは、悲し過ぎるだろ。
しかもあいつ等傍若無人だし。
友達、ではねぇよなうん。
ただの仕事仲間。
…給料なんかあげたことねぇけど。
俺は慣れた様に、隣の家の扉を開いた。
真っ先に視界に飛び込んで来たのは、やる気が無さそうに横たわる璃李奈。
次に飛び込んで来たのは、怜緒だった。
「あれ?銀時、何その女ー。アリス以外の女なんかにしたら、殴るからな」
「銀時が来るなんて、珍しいね。まさかアリスちゃんに何かあった?」
二人を見て、俺はドッと疲れが溜まった気がした。