二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   空 【銀魂】 特別番外編up!! 参照1000越 ( No.288 )
日時: 2010/09/16 19:48
名前: アリス (ID: /jbXLzGv)

16.5話 もう一つの物語


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其の日、璃李奈と怜緒は有り得ないぐらい暇であった。
其処で!!


「アリスに会いに行っちゃおう作戦!!」

「いや、いちいち作戦付ける必要性は無いからね」


ズズッ、とお茶を啜りながら怜緒が言い放つ。


「だって、昨日から作戦にハマったんだよ!!」

「短ッ」


的確過ぎるツッコミに若干腹を立たせながらも、璃李奈は平静を装う。
かくして、璃李奈曰く「アリスに会いに行っちゃおう作戦」は開始したのである。


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しかし、二人して万事屋前で固まっていた。
理由、其れは———。

あの日起こった、後に「食中毒大事件ファイルNo.1」と称される事件。
あの日漂っていた、何とも言えない様な匂い。
あの時点で二人は既に悪い予感を感じていた。

恐る恐る匂いがする部屋に入った二人を待ち構えていたのは、屍。
否、銀時・桂・唯・先生の腹痛に悶え苦しむ姿。
“彼女”は二人が来たのに気付き、ニコニコと笑いながら駆けて来て———。

———味見、してくれない?

其の一言、だった。


「ね、ねぇ、アリスちゃんに会うのはよそうよ…」

「アリスに会いたい…しかも、もしかしたら味も良くなってるかも知れない!!」


そう考えられる璃李奈はある意味、勇者だろう。
今部屋の中では死闘が繰り広げられていたのだ。

そう、正に銀時とアリスの作った暗黒物質との胃の中での戦いが。


「たのもー!!」


そう言って璃李奈は死をも恐れぬ行為———そう、扉を開いたのだ。
後ろで怜緒が青ざめる。
フッと、璃李奈はあの日のことを思い出す。


———そう言えばあの日も、こんな天気で…。


「あっ、璃李奈!!」


アリスはニコニコと微笑んでいる。
璃李奈はうっすらと悪い予感を感じながら、アリスの久し振りの笑顔を堪能していた。
フッと手元に目をやった瞬間。
璃李奈は又してもあの日の記憶を思い出す。


———アリスの手元にあった、タッパ入りのだし巻き卵…。


「だし巻き卵、食べない?」


差し出されただし巻き卵は案の定、黒かった。
怜緒はいつの間にか姿を消していた。
どうやら、既に逃げたらしい。


「美味しいよ?」

「え、なら食べ———」

「いい加減学べやオラァアアアァアア!!」


後ろから銀時の蹴りが炸裂した。
痛みからか、璃李奈は腰を押さえキッと銀時を睨み付ける。


「何すんだオラァアアアァアア!!うわ、つか銀時汚ね。よだれ垂れてんぞ」

「黙れェエエェエエエ!!テメェ早く逃げた方が…」


ベチャリ。

床に何かが落ちた。
瞬間。
床がだんだんと黒ずんで行く。


「ウギャァアアアァアア!!」

「リ●ーン!?リボー●のビ●ンキのポイズン●ッキング!?」

「食べる?食べない?どうするの、璃李奈」


何処か黒い雰囲気を纏ったアリス。
最早食べる、としか返答は不可能である。
璃李奈は腹をくくり、返答しようとする。
しかし、銀時が璃李奈の口を塞ぎ、言った。


「俺が食う」


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後日、璃李奈が怜緒を苛め尽くしているのが目撃された。
そして、銀時はみんなより更に長くトイレの住人であったという。