二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 今日から勇者っ!『ルーザ達の旅路』 ( No.2 )
日時: 2010/09/02 11:43
名前: あらびきペッパー (ID: uv8uJrDZ)

第二話 〜旅立ち②〜


マルスに連れられてやってきた部屋は小さめの体育館ほどあった。
「モンスターと戦う事ができないと、例えヒヨッコ平原であっても危険だからね。まあそんな難しくないよ」
そういいながら奥の部屋にマルスが入っていった。

「オラ、こっち!・・・あ!そっちじゃない!!ア〜〜〜〜レ〜〜〜・・・」
そして何かガシャンだのボコだの不自然な効果音が。
・・・なにがあった

「いやぁ・・おまたせ〜」
そう言ってやってきたマルスは何やら小さな檻を抱えている。
そしてその中には誰もが知っているモンスター「スライミー」が。
やはりパクりか、と思うがコイツの体はピンク色。水色でもオレンジでもメタルな色でもない。
要するにベスでもメタルでもないのだ。
あ・・・どっちにしたってパクりなのか。

そして檻を開け、スライミーが出てきた。襲いも逃げもしないでこっちを見ている。かわいい。
「ルーザにはコイツをやっつけてもらおう」
「きゅー・・・」
・・・そんな顔と声で訴えかけないでくれ。
「で、戦いのコツとかあるんすか?」
一応聞いてみた。
「そうだな・・・。ま、とりあえずバシュ!で行こうぜ。コイツがドン!ってしてきたら華麗に避ける!そう、カレイのようになwww」
言ってる意味が分かりません。
とりあえず攻撃をしないと。

ステップを踏みながらスライミーとの距離を縮め、一気に剣を振り下ろした。
「やあっ!!」
「きゅーーー・・・!」
スライミーがぼてぼてとバウンドしながら転がっていく。ああ・・・かわいそう
「いいぞ!もう一度攻撃だ!」
マルスの声が。そしてもう一度攻撃を仕掛ける。
「はあっ!」
「きゅーーーー!」
スライミーはその場に跳ねた。
「!」
これには驚いた。攻撃が交わされてしまった。そして、
「きゅーーーっ!」
「うあっ・・・!」
スライミーが俺の足に向かって精一杯であろう体当たりをしてきた。その攻撃で俺はバランスを崩しその場で転んでしまった。
「きゅきゅ〜〜!」
更に追い討ちをかけるようにスライミーが襲ってきた。
それを俺は転がりながら避け、体勢を立て直した。
スライミーは攻撃を交わされひっくり返っている。
今だ。

一気に剣を下から上へとなぎ払った。
「きゅ〜〜〜〜・・・・」
大きく飛ばされたスライミーは地面に落ちるとともに動かなくなり、彼の頭上にヒヨコと星がクルクル回っている。
「よし、あれが倒したサインだ!あれはどのモンスターにも見られるんだ」
マルスが言う。あの光景、見えてもいいのか

「とまあ、こんな感じだ。どうだ、戦い方は分かってきたか?」
「はい、ある程度は」
「よしよし、じゃあルーザは認定試験合格。おめでとう、これでお前も勇者だぞ!」
「あざっす」
「あとは自分で己を鍛えるんだ。しばらくはヒヨッコ平原で修行を積むといいぞ」
「分かったっす」

マルスと別れたあと、俺は父さんに顔を出そうと思った。別にファザコンではない。

「お!ルーザ。その格好してるって事は勇者様になったのだな?」
「ああ、俺もこれで王国の子供に好かれる」
「ハハハ!そうなるといいなぁ」
「武器ってやっぱ強いほうがいいんだろ?」
「いや、ヒヨッコに出てくる敵なら今のオンボロ装備でも大丈夫だろう。それに俺の店の品はある程度使うと壊れてしまうし値も張るものが多い。お前がクリスタルバレーでも十分に戦う力を身に付けたあたりから俺の店を使いな」
クリスタルバレーはヒヨッコ平原から見ることのできる岩山の中の道だ。そこは大地の番人「ダイダロック」というおっかないモンスターがいるらしい。
とりあえず今はヒヨッコ平原で己を鍛えなければ。

「まあ、無理しないようにな。まあやられても王国に戻らされるだけだがな。勇者Pも減らない」
勇者Pは言わばお金のようなものだ。勇者Pで店の武器を買ったりする。
モンスターを倒せば勇者Pは手に入る。これはどこのRPGも一緒だな


そして、俺は王国を出てヒヨッコ平原に足を踏み入れた。



そのころマルスのテントでは・・・
「あ。大切な事をルーザに言ってなかった」
そんなことをマルスは言ったが、誰も聞く者はいない。



■第三話へ続く■


〜第二話 終〜