二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 今日から勇者っ!『ルーザ達の旅路』★第二話更新★ ( No.3 )
- 日時: 2010/09/10 22:20
- 名前: あらびきペッパー (ID: 0tMdy3Jm)
第三話 〜ヒヨッコ平原〜
ヒヨッコ平原に足を踏み入れた。周りにモンスターはいない。
その時だ。草むらから何かが飛び出してきた。
別にポケモンが現れたわけではない。
現れたのはヤリを持ち、鳥の格好をしたモンスター。こいつは「バトリー」。
レア度は2。レア度というのはその地方でのモンスターの強さ。1〜5まであり、5はボスモンスター。ただ、サイズの大きいモンスターは基本の2つ上までレア度が上がる。
レア度2なのでスライミーよりは強い。
レア度の数値はマルスからもらった探知機で分かる。
とりあえず攻撃をしなくては。
「ていっ」
剣で突いた。攻撃は命中した。
「ぐえ・・・」
バトリー痛そう。すごく痛そう。
体勢を立て直したバトリーはヤリを振り下ろしてきた。
俺はその攻撃にあわせて剣をなぎ払う。
「げっ!」
俺の攻撃によりバトリーは手・・・いや、羽からヤリを離した。ヤリは遠くへ飛ばされていた。
「おらぁ!」
「げぇ〜〜〜・・・」
俺はすかさず剣で攻撃。バトリーはその場に仰向けに倒れた。
そして頭にひよこが飛んでいる。倒したらしい。
それにしても、この光景はどうにかして欲しいがどうにもならない。
俺は少し歩いて木がある場所に移動した。
木の場所へ行き、木を大きく揺らす。
ぼとん、と落ちてきたのはミノムシのモンスター「ミノムー」だ。
レア度は1だが守備力がある。
しかしミノムーは動きが遅い。木から落とせばなおの事だ。
前に父さんがこうやってミノムーをやっつけていた事があった。
俺はアワアワしているミノムーに攻撃した。
ミノムーがごろごろと転がっていくのを追いながらもう一度攻撃しようとしたその時だった。
「ぐあっ・・・!」
背中にもの凄い衝撃が走り、俺は大きく飛ばされた。
後ろを見てみると、そこには宝箱のような形のモンスター「タカラバウ」、更にはスライミーと小さなオバケ型モンスター「ゴーストマジシャン」がいた。
油断していた。おそらく俺が揺らした木の裏にはタカラバウ、スライミー、ゴーストマジシャンが昼寝でもしていたのだろう。
俺はそれに気が付かずミノムー退治に夢中になってしまっていた。
タカラバウはレア度3、ゴーストマジシャンは2。そしてスライミー。
「むーー!!」
しかもまだミノムーも倒していなかった。4体に囲まれてしまった。
タカラバウはサイクロプスに次いで気性の荒いモンスター。しかも他の3体も昼寝をジャマされたり攻撃をされたりしてかなり怒っているようだ。
とりあえず戦うしかない。
俺はまず一番強いタカラバウに攻撃した。剣を垂直に振り下ろす。
「がうっ!」
しかし、タカラバウは自分の体を丸めてまさに宝箱の格好になった。こうなると守りは鉄壁である。
剣の攻撃を硬い体に跳ね返されてしまった。しかも、その衝撃で手を麻痺させてしまった。
「ガウーーー!!」
「きゅ〜〜!」
「フィーーー!」
「むぅっ!!」
4体の一斉攻撃。
そこで俺の記憶は途絶えた。
「おい、大丈夫か?」
目を覚ましたとき、俺はマルスのテントにいた。
「俺は・・・」
「やられたのさ。モンスターとの戦いに敗れるとユーシャ王国の俺のテントに戻されるんだ」
・・・きっとよそのパクりだろう。
「まあまだレベルもそれほど行ってないで4体相手じゃなぁ。気を落とすなよ」
「ういっす」
マルスに励まされる俺。4体相手はもうしたくない。今度から地道に戦っていこう・・・。
「ああ。それとな・・・」
苦笑いを浮かべながらマルスが言う。
「ヒヨッコ平原を出る前に、酒場で仲間を作ってから冒険に出ないとこの先厳しいってのをいい忘れててな。あははははは・・・」
笑わないで欲しい。そして先に言って欲しかった、切実に。
■第四話へ続く■
〜第三話 終〜