二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】曇空にも月は輝く ( No.13 )
- 日時: 2010/10/03 14:06
- 名前: 瑠々 (ID: 7.F5HCJo)
第零訓「戦場ニハ光ハ差シ込マナイ」(後編)
「兄・・・ちゃん————・・・」
月蓮華隊の鉢巻には「桜井 破斗」と書いてある。
兄ちゃんの鉢巻には血がべっとりと付いている。
私は当たりを見回すが兄ちゃんらしき奴は、いなかった。
「月奈ァ!危ねぇ!!!」
銀時の声がして振り向くより先に刀を振り上げた。
私の後方には天人。天人は私より先に刀を振り下ろしていた。
ザ ンッ !!
血吹雪が舞う。その瞬間、私の左肩には激痛が
走った。
「————っ!!」
私の左腕は骨が見えそうな位まで切れていた。
出血が止まらない。しかも、待ってましたと言わんばかりに、他の天人が切りかかって来た。
私は左肩を抑えると飛び上がった。人の体より
二つ分位。私は刀を振り下ろした。
再び血吹雪が舞った。
私が着地すると、銀時と桂の隣には紫っぽい黒髪と
モサモサの髪の男が居た。
「この人達は・・・?」
私は近くに居た桂に聞いた。
「高杉晋助と坂本辰馬だ」
桂はゼーゼー言いながら言った。
———————————————————
数日後。攘夷戦争は終わった。私は銀時達の住処(?)に案内された。丘の下にある小さな小屋。
そこに着いた時、月蓮華隊はほぼ全滅したと言う連絡が入った。
あたりに散らばっていた鉢巻が恐らく戦死した隊の
奴の数だろう。
そしたら。
多分。
いや、絶対。
———兄ちゃんは死んだんだろう・・・・。
———昔、父さんは言った———・・・・
『戦場は何も生まない。生むのは悲しみだけだ。
戦場には光は差し込まない』
——父さんが言った通り、私は仲間を、兄ちゃんを
失った・・・。
—でも、失うばかりじゃない。私はたくさんの物を
失ったけど、その分、
大切な仲間を手に入れたんだ———・・・。
再び父さんの台詞が蘇る。
『戦場は何も生まない。生むのは悲しみだけだ。
———戦場には光は差し込まない——・・・・』