二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】曇空にも月は輝く キャラ人気投票中! ( No.155 )
日時: 2011/01/18 18:01
名前: 瑠々 (ID: TV9sr51/)

第三十訓「兄弟だからって絶対似ているとは限らない」


「春麗。ちょっと良いか?」

「何?高杉」

此処は鬼兵隊の船の中。船の廊下をぶらぶら歩いていた春麗を、晋助が
引き止めた。

「お前、月奈を刺したらしいな」

晋助の言葉に、春麗は不気味に笑うと口を開いた。

「だったら何?もしかしてショックだった?仲間が部下に傷付けられて」

春麗の言葉に晋助もククッと笑い、続けた。

「・・実の妹を殺ろうとするとは、流石だな・・・」

「・・・・あんな弱い奴、妹じゃない。私は、家を出た時から、家族も
自分の名前も全て捨てたんだ」

そう言うと拳を作り、唇を結んだ。晋助は、「そりゃァ、すまねぇな」と言うと春麗の横を通り過ぎた。
春麗はポケットから一枚の写真を取り出した。

其処には、黒髪の男の子と桜色の髪をポニーテールにしている女の子と
髪を下ろしている女の子。其の二人の女の子はそっくりだ。

「『芹奈』なんて名前・・・、とうの昔に捨てたわ」

春麗はそう言うと写真を丸めて捨て、ボソリと呟いた。

「・・月奈、破斗。あの時、あんた達も殺す筈だったのに・・・ッ!」

春麗はそう言うと足を動かした。

其の時は誰も気付かなかった。


其の船の外で、銀髪の男と黒髪の少年と赤橙色の少女と桜色の少女が、
船の前に立ちはだかっている事を。