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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】曇空にも月は輝く キャラ人気投票中! ( No.179 )
- 日時: 2011/02/13 14:22
- 名前: 瑠々 (ID: TV9sr51/)
第三十七訓「一瞬の出来事」
「戦が終わる前に忽然と姿を消したお前に何が分かるッ!?仲間を失うのを恐れ、全てを捨て、逃げたお前にッ!!!白夜叉、お前もだッ!!!」
そう言った瞬間、春麗は月奈に向かって飛び出した。
余りの速さに避けきれない。
ザシュッ!!!
鈍い音と共に血吹雪が上がる。月奈は目を閉じ、死を覚悟していた。
が、何とも無かった。そっと目を開ける。
月奈の目に映ったのは———・・・、
「銀時ッ!!?」
「銀さんッ!!」
「「銀ちゃんッ!!」」
月奈の瞳に映ったもの・・・其れは、横腹から血を流している銀時だった。
新八・神楽・七香が銀時に駆け寄る。
月奈は春麗を睨みつけた。春麗の刀と着物にはべっとりと血がついている。
春麗は只、不適に笑っている。
「——春麗、お前はァァァァァ!!!!」
月奈は叫びながら春麗に向かって飛び出した。
先程の春麗を上回る速さで。
流石の春麗も驚いた。突然、自分を上回る速さで突っ込んできたのだから。
後ろに鬼が見えるかのような表情で、憎しみと怒りの色をした瞳で春麗を睨みつける。
其の月奈の信じられない表情に春麗は一瞬怯んだ。
瞬きすれば見えない位、一瞬の表情の変化だったが、月奈は其れを見逃さなかった。
銀色の糸が伸びる。
其の瞬間、春麗はドサリと倒れた。
ほんの一瞬の出来事に新八達は驚きの目で月奈を見る。
此れが月奈の強さ。
此れが月夜の強さ。
あの、夜兎族を上回る月夜同士の戦いを目の前で見た新八達は言葉が出なかった。
すると、月奈はくるりと振り向き微笑みながら言った。
「帰ろう。万事屋に・・・・」
其の月奈の瞳は悲しい色をしていた。
穴の開いた天井から、灰色の雲の間から現れた太陽の日差しが、
月奈の桜色の髪を照らした。
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