二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】曇空にも月は輝く キャラ人気投票中! ( No.189 )
日時: 2011/03/05 10:27
名前: 瑠々 (ID: .qxzdl5h)

第四十訓「春より冬の方があくびをする回数が多いと思う」


朝起きると、布団から出たくなくなる冬が終わり、江戸にもやっと桜が咲き始めた。
桜並木を歩く月奈は片手にスーパーの袋を抱え、ぶらりぶらりと歩いていた。
其の月奈の淡い桜色の長い髪の間を、髪の色と同じ桜がくるりと通り抜ける。

(江戸もすっかり春だなぁ)

月奈は桜を眺めながら季節が変わる事に言う台詞を心の中で呟いた。
あの事件の後、日向は皆に全てを話した。
だが、真選組の皆は日向を捕まえず、今迄通り接しているらしい。

平和が一番だ、などと完全にボケて居た月奈に聞き覚えのある声が掛かった。

「あれ?あんさん、どっかであったよな?」

声がする方向に振り向くと、其処には以前あった水色の髪の女性・・彗が居た。

「あ、彗さん。何で此処に?」

月奈はにっこりと笑った。

「ちょっとな、万事屋に依頼に来たんや」

月奈は彗の言葉に首を傾げて彗の言葉をもう一度言った。

「依頼?」

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一方万事屋では、神楽と七香がずっと同じ事を呟いていた。

「お腹空いたアル・・・」

「お腹空いた・・・」

「お腹空いたアル・・・」

「お腹空い「うるせーんだよッ!!!さっきからどんだけ言ってんだよ!!!」」

神楽と七香の台詞を遮るかの様に銀時が大声を上げた。
「お腹空いた」をずっと連呼されたら誰でも嫌だろう。でもしょうがない。丁度今はお昼時。日本の誰もがお昼ご飯を食べている。

「大体月奈はまだかよ。昼飯買いに行って何時間経ってると思ってんだコノヤロー」

月奈にお昼ご飯を買いに行かせたのは一時間半前。
万事屋からスーパーはそんなに遠くないからもう帰って来ても良い筈なのだが、月奈は帰って来ない。

(また変な事に巻き込まれてんじゃねェだろうな)

銀時の言う通りだ。月奈は今迄・・・と言うか外に出る度に大怪我をして居る。しかも其れは全部事件の始まりだったりした。

だが、今日はそんな心配無用だった。

「ただいま〜」と言う元気一杯の声が玄関から聞こえた。
新八は何時も通りリビングからから顔を出し、「おかえり、月奈ちゃん」と言った。が、今日は何時もと違った。
新八は慌てて銀時の方を見ると言った。



「銀さん、依頼ですよ!!」