二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】曇空にも月は輝く オリキャラ募集終了* ( No.51 )
日時: 2010/11/03 11:30
名前: 瑠々 (ID: MQ1NqBYl)

特別編「少女の笑顔と虹」

——それはまだ、攘夷戦争が行われていた頃・・・。

一つの小さな屋敷の屋根に一人の小さな女の子が、
刀を抱き、雨雲の下で雨に濡れていた。
小さな手の平には、綺麗な紅水晶に月と桜が掘られた石を強く握っていた。

「———兄ちゃん・・・・」

その少女はつい先日、大切な、たった一人の家族であった兄を戦で亡くした。
身寄りもいない。ましてや、家も無い。
この戦から生きて帰っても、自分には明るい未来など待っていない。それなら死んでしまった方がマシ————・・・・・。

何度そう考えただろう。
何度、自分の腹に短刀を近づけた事だろう。

でも今、この少女が此処にいるのは———・・・。

「月奈」

背後から男の人の声。月奈と呼ばれた少女は、
今日の空の様に曇った顔をしていた少女の表情は
パッと明るくなった。

「銀時っ!」

月奈は、銀時と呼んだ男に抱きついた。
銀時は、雨でぐっしょりと濡れた月奈の頭をゆっくり、優しく撫でた。

少女が死なずにすんだのは、きっとこの人のお陰。

「月奈。風邪引くぞ」

「うん・・・」

少女が微笑むと急に空がさっきの雨空が嘘の様に
晴れ渡った。

銀時は、ポンッと月奈の頭に手を載せ、

「誕生日おめでとう。月奈」



今日は月奈の誕生日。

悲しみにくれた少女に一つのプレゼントが渡された。

それは物では無い。

笑うと言う感情。

「ありがと・・・・。銀時・・・・」

少女が万円の笑みを見せると、


大きな虹が広い青空に掛かった。


———悲しみにくれず、前を見て生きよう。

———落ち込むのも、泣くのも、もうやめよう。






  そうすれば、きっと、



  明るい未来が待ってるから————・・・・。





                    〔終〕