二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【夏目友人帳×ボカロ】 †夕焼け空† ( No.8 )
- 日時: 2010/10/03 17:56
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: COldU63y)
- 参照: http://PC変わったので名前も変えました。白柊です
1page 誰にも聞こえない、声で
(夏目友人帳side)
傷ついた末に時々変なものを見た。
他の人には見えないらしいそれらは、おそらく
——————妖怪といわれるものの類。
「ふぁ〜あ……」
とある高校の教室。平凡な授業時間。
そこには一人の少年———《夏目貴志》が居た。
時は3時限目。今日はやけに眠くて教科書を立てて後ろの席に座っている事に感謝しながら寝ていた。
此処の所、妖がやけに名前を返してくれと言っているので余計に疲れているのが眠さの原因。
本当、妖が見えないって羨ましいよなぁ…………
コンコン。
すると、窓を叩く音がして振り向くと。
『夏目様、名前を返していただきたいのですが……』
おれの疲れの原因。———妖が居た。
しかも何やら恨めしげにこちらを見ている。
「今は無理。後で返してやる」
溜息をつきつつその妖の頼みを聞き入れる。
勿論、周りにはあの妖の姿は見えないので小声で。
……これが《日常》だった。
「夏目、貴志…………」
一人の少女《藍空遥》が小さく呟いた。
誰にも聞こえない、声で。
(VOCALOIDE side)
「ねーぇーキョウ! 学校サボってて良いの?」
「そうそう、あんまりサボってると留年するよ?」
「だからサボりじゃねぇっての! 今日は調子が悪いから休んでんだっつーの!!」
何処にでもある(……?)楽しげな(……??)会話。
一人暮らしをしている末音キョウの部屋に鏡音リンとレンがやって来ていた。
ちなみに時間は11時と普通の学校であれば3時限目頃であろう時にこの3人は学校に行っていない。
勿論学校に行けないと言う訳ではない。
キョウは高校2年生、リンとレンは双子で中学2年生。
何故、サボっているかと言うと
キョウが風邪を引き、リンとレンが看病しに来たのだ。
「ったくお前らこそサボりじゃねぇか……」
「まぁまぁ、細かい事は言わない言わない!」
「そうそう、もうすぐミク姉とメイコ姉とカイトが来るって」
キョウの正論にリンとレンはやや誤魔化す様に笑いあう。ちなみにミクは高1でメイコとカイトは何故か不明。少なくとも義務教育は終了しているらしい。
さらに言うとこの6人は普通の人間ではない。
いや、人間らしいといったら人間らしいけれど。
《VOCALOIDE》
それが、この6人の表し方。機械とも人間とも呼べない特殊な者達。
とは言っても普段は人間として過ごしている訳だが。
「ったく、気をつけろよ……本当に」
色々と、意味をこめた言葉をキョウは呟いた。
誰にも聞こえない、声で。