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第１章　退屈な世界の抜け道

「は！！」

誰かが目を覚ました。名前は龍崎仁（りゅうざきじん）である。

「で、ここのｘの２乗が答えとなる。次に、この問題なのだが・・」

つまらない数学の授業中に寝ていたのであろう。彼は目立たないように大きく伸びをして机に肘をついて窓から外を見た。学校前のグラウンドでは体育をやっていた。彼は小さくため息をつくと、授業終了のチャイムが鳴った。ＨＲ（ホームルーム）も終わり、真っ先に１人で帰った。彼には両親はいなく、学校からちょっと離れた寮で暮らしている。いつものように、曲がりくねった路地を通り、空き地を通り抜けようとしたら空き地の真ん中に何かが落ちているのがわかった。彼は行く気はなかったのだが足が動いてしまった。そして空き地に入って落ちているものを拾ってよく見てみた。小型の金色の鍵のアクセサリーみたいだった。すると、一瞬のうちに大きくなってそれが光を放った。

「な、な、なんなんだよ！これ！！！」

龍崎は光の中にのみこまれてしまった。

第１章　ＦＩＮ