二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【inzm11】彩り ( No.11 )
日時: 2010/10/25 12:45
名前: 小春 (ID: 9w/YL3et)

*五話*

「イリュージョンボール」
「爆熱ストーム!!」

様々な必殺技が目に映る。

「すごい……、サッカーって」

椛は呟く。
それを聞いていた秋が、話しかける。

「どう? 参考になった?」
「うん、すごいよ、皆……! わたしも頑張って絵を完成させなきゃ!」

必死になって喋る椛に秋は微笑みを返した。

「頑張ってね、絵」
「うん、勿論! 頑張らなきゃ、皆にも悪いし」
「そっか、じゃあ私、ドリンクの準備してくるね」
「あ、うん。秋も頑張ってね!」

秋は踵を返し、部室に向かった。

(本当に、すごい……)

「疾風ダッシュ!」

目の前に誰かが通ったかと思うと、ぶわあっと効果音がつきそうなほど、強い風がふく。

「、きゃ……」

風に舞う髪を手で押さえつけて、目の前を通った『誰か』を探す。
すると、少し先に水色のポニーテールを揺らし、凄まじい速さで走っている少年が見えた。

「風丸くん……?」

椛は、走る風丸だけをじっと見ていた。

「椛ちゃん?」
「わ、わあっ! 秋! 吃驚させないでよ……」

すぐ後ろにはきょとんとした秋がいた。

「あ、ごめんね……」
「ううん、大丈夫。こっちこそごめんね。ドリンクの準備は終わったの?」
「うん、終わったよ。……椛ちゃん、風丸くんをじっと見てたけど、どうかした?」
「いや、すごい速さではしるなあ、って……」

椛の動きが固まる。
そんな椛の顔を秋は心配そうに覗き込む。

「どうしたの…? 椛ちゃん」

椛ははっとしたように顔をあげ、

「ごめんっ、秋! わたしちょっと下書きだけでも描いてくる! 今日はありがと! 円堂くんにもお礼言っといて! じゃあねっ」

椛はそれだけ告げると学校まで走っていった。

「……? 何か、思いついたのかな?」

秋は、その場に取り残された。