二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【inzm11】彩り ( No.12 )
日時: 2010/10/25 19:51
名前: 小春 (ID: 9w/YL3et)

*六話*

廊下を全速力で駆け抜ける。
先生が怒ってたけど、気にしない。

「はぁっ、はぁっ」

部室まであと少し。
扉のドアノブに手をのばす。

ドアノブを握ろうと最後の一歩を踏み出す。
だが、前に出した手は空気を掠っただけだった。

(え、あれ?)

体重が後ろに行く。

(え、え、なんで!?)

もう少しで転びそうなところで誰かに受け止められる。

(誰……?)

恐る恐る振り返ると、

「九条、お前……」

怒りを露にしている先生だった。
椛はタラタラと冷や汗を流す。

「あ、いや、あの、先生……」
「九条、そんなに急いでどうしたんだ。廊下は走ってはいけないだろう」
「す、すみません……」

椛は、説教になることを覚悟し、拳に力をこめる。
が、

「まあ、いつも真面目な九条のことだ。今日は見逃してやろう」

ははは、と先生は笑う。

「ありがとうございますっ、先生」
「今度からは走るんじゃないぞ」
「はい!!」

椛は内心ホッとし、部室へ入る。
そして自分の席に座る。
引き出しの中に入れていた画用紙を取り出し、シャーペンで下書きを描く。

「うん、これでいいかな」

数十分後、完成したのはポニーテールの人物。