二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【inzm11】彩り ( No.6 )
日時: 2010/10/25 12:09
名前: 小春 (ID: 9w/YL3et)

*三話*

二時間目の後の休み時間。

「お前が、九条椛か?」

ただぼーっとしていると話しかけられた。
いきなりだったので少しびくり、と椛は体を震わせた。
声の方向を見れば、鮮やかな橙色のバンダナをした少年だった。

「えっと……? うん。私が椛だ、よ……?」
「そっか、俺は円堂。円堂守」

少年は、円堂と名乗った。

(あ、サッカー部の部長さんか……。はじめて見たからわからなかった)

「円堂くん……で、いい?」
「ああ、いいぜ。椛ってよんでいいか?」

円堂は笑顔で返す。

「うん、かまわないけど……、どうかしたの?」
「いや、秋がな、椛がサッカー見学にくるって言うから……」
「あ、ああ、うん。その事ね。私、美術部なんだけど、今度のコンクールに出す絵のテーマがスポーツをする人なの。だから、サッカー部の人に絵の資料、っていうか、参考にさせてほしいんだけど……」
「そっかあ、そうなのか……」

円堂は少しだけ元気がなくなったような顔をした。

「なんか……悪いこと言っちゃった、かな……?」
「そうじゃなくてさ……。サッカー部に入部するのかなあって、俺思っててさ」
「あ、ごめんなさい……」
「いや、いいって。まあ、見学いつでもこいよ! 待ってるぜ!」

それだけ告げると円堂は友人のところに戻った。

(ひまわりみたいな人……)

椛がサッカー部を見学する時は刻々と近づいていた。