二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】銀色に輝く華 ( No.143 )
- 日時: 2011/09/23 20:50
- 名前: 瑠々 (ID: cebg9jtM)
【蒼誕生日特別編】
———雨のち晴れ。
「暇…」
桂のアジトの自室で転がっていた蒼は、白い天井を見ながら呟いた。
ここ最近、攘夷活動という活動もしていなく、おまけに連日続くこの雨で、毎日暇だった。
(エリザベスとU●Oしようと思ってたのに…)
雨の日はエリザベスと一緒にU●Oをして時間を潰していたものの、
今日はそのエリザベスもいない。エリザべスどころか桂も、誰もいない。
久しぶりに刀の手入れでもしようかと、蒼の刀身の刀に手を掛けたとき、インターフォンが鳴った。
「…はーい」
だるそうな声で返事をし、戸を開けると、其処には銀色と真選組十一番隊長の日向が立っていた。
「てかさ、一応あたし真選組なんだけど。他から見たら『敵同士で何やってんの?』状態なんだけど」
「一応アンタも攘夷戦争参加してたからね。あいつの頭の中では日向と蒼くん、知り合いだから。友達だから」
「そんな事より、なんで二人が此処に?」
蒼の台詞に銀色と日向がニタリと、悪戯っぽい笑みを浮かべた。
*
二人に着いて(どちらかと言うと連れて行かれた)行くと、着いた場所は万事屋だった。二人に無理やり玄関に入らされると、沢山の草履がきちんと並べられていた。ただし、銀時と神楽の靴だけグチャグチャだった。
(お客さんがいる筈なのに、なんでこんなに静かなんだ?)
確かに、こんなに草履があればリビングの方は騒がしいはずだ。
なのに部屋からは物音一つせず、雨音だけが響く。
「入って」
日向に言われ、リビングの戸をがらりと開けた。
その瞬間、パパァンとクラッカーの音が鳴り響いた。
「!?」
蒼の目の前には銀時や新八、神楽。桂やエリザベスや仲間たちだった。
蒼が一人呆然としていると銀色が話しかけた。
「蒼くん。今日は何月何日?」
「6月26日……あっ」
6月26日。
自分でも忘れていたが今日は自分の誕生日だった。
『誕生日おめでとうございます。また一緒にU●Oしましょう』
と書かれたプラカードを持ったエリザべスが蒼に近寄ってきた。
「あたし達はケーキを作ったヨ!」
ショートケーキを持って走ってくる神楽の後ろで、「神楽ちゃん、落とす落とす!」と新八が叫んでいる。
肩にポンと手を置かれ、振り向くと、桂が立っていた。
「蒼、これからもエリザベスと共にサポート、よろしく頼むな。そして、これはプレゼントだ」
「……桂さん、これ…っ!」
桂に貰ったプレゼント。それは…、
「宇宙怪獣ステファンだ」
その瞬間、目にも止まらぬ速さで銀時の飛び蹴りが綺麗に決まった。
「なにテメーは気味の悪ィモン渡してんだ」
「気味の悪ィモンじゃない、ステファンだ!」
「どーでもいいんだよ!んな事!」
それから、銀時と桂の言い合いを他所に、ドンチャン騒ぎが始まった。
万事屋の窓から、ふと外を見ると先ほどの雨は嘘の様に、青い空が広がっていた。
雨のち晴れ。
(雨雲が太陽を隠しても、君たちの笑顔はずっと消えない)