二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】銀色に輝く華 ( No.5 )
- 日時: 2010/11/14 12:29
- 名前: 瑠々 (ID: 5YaOdPeQ)
第零訓「闇色の空、銀色の光」【中編】
「銀時、この娘の腕の傷はかなり深かったぞ。
主がやったのか?」
「違うっつーのッ!!俺が見つけた時は気絶してたの!!
既に怪我してたのッ!!!」
五月蝿い。ムカつく位五月蝿い。
私は重い瞼を開けた。
(此処は何処なの・・・?)
見た事の無い場所。何処かの屋敷みたいだ。
私はゆっくりと起き上がった。
するとまた、襖越しから声がした。
「ところで高杉は?」
「知るか。そこら辺にいんじゃね?」
私は痛む腕を押さえながら襖を開けた。
その瞬間、目の前に銀色のモサモサがあった。
「お、気が付いたか」
銀色のモサモサは私の方をヒョイッと見た。
すると、「ちょっと来い」と言う様に手招きをした。
私は言われるがまま銀色のモサモサの所へ行った。
「お前、何であんな所にいたんだ?」
銀色のモサモサは私の顔を覗き込む。
私は目を合わせたくなくて顔を伏せた。
私の瞳は青と赤で左右の目の色が違う。そんな私を見たらコイツらだって私を「鬼」とか言い出すだろう。
「おい。顔上げろよ」
銀色のモサモサは低く言った。人が聞いてるのにこんな態度を取られたら誰だって怒るだろう。
でも私はそれで良いんだ。
「銀時。お前が急に問いただすから怯えているではないか」
「うるせーッ!!んならお前が聞けよッ!!」
五月蝿い。アンタが叫ぶ度に傷口が痛むんだけど。
「・・・五月蝿い」
私はそう言うと、銀色のモサモサを睨みつけた。
もう言いや。さっさと此処を出よう。と考え、何となく腰に手をやる。
「!!」
私は驚いた。私の腰にある筈の父さんから譲り受けた刀が無いのだ。
「・・・刀、は・・・?」
「ん?」
「・・・刀は?私の刀は何処にあるのッ!?ねぇッ!!」
私は大声で叫んだ。叫ぶ度に腕が痛むけど、そんな事今はどうでも良い。
「俺が見つけた時には刀何て差して無かったぞ?」
私は目を見開く。父さんから貰った宝物。
いつも肌身離さず持っていた刀。
私は走り出した。あの銀色のモサモサが私を呼び止めたけど振り向きもしないで。腕がズキズキと鳴っても
気にせず、ただ屋敷の廊下を走った。