二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】銀色に輝く華 ( No.6 )
日時: 2010/11/14 14:37
名前: 瑠々 (ID: 5YaOdPeQ)

第零訓「闇色の空、銀色の光」【後編】

あたしはまた、あの屍が転がっている戦場に足を踏み入れた。

「・・・刀。刀は何処なの・・・?」

あたしは地面に這い蹲って刀を探し始めた。
あの刀があれば、それで十分だった。
あの刀さえあれば、それで十分だった。

「・・・っ」

あたしは歯を食い縛った。
あれだけ大切にしてたのに、何で落とすんだろう。

いつもそうだ。

いつも家族を第一に考えてたのに、いざとなったら助けられなかった。

気が付くと、雨が降っていた。真っ暗な闇色の空から
冷たい雫があたしの体に打ち付ける。

すると、前から誰かが走って来た。
天人だったらどうしよう。
殺されちゃうな。
大切な刀を見つける事も出来ずに・・・。

あたしは下を見た。私の足元には水溜りが出来ていた。
私が此処で天人に殺されたら、この水溜りも血に染まるのかなって・・・。

「おい・・・」

前方から声がして前を見た。
紫色の髪をした男が前にいた。そいつの手に握られて
いるのは・・・、

「あたしの・・・、刀・・・!!」

あたしがそう言うとそいつは黙ってあたしの前に刀を
差し出した。

「・・・ありがとう・・・」

久しぶりに声に出したお礼の言葉。恥ずかしかったけど、嬉しかった。

私の頬に雫が伝う。
それは雨では無い。
長い間、ずっと我慢してた涙だった・・・・。

「高杉、お前・・・ッ!」

あたしの後を追って来たんだろう、銀色のモサモサと、
モサモサと喧嘩していた長髪、そして茶色の別のモサモサがいた。

「あっはっはっはっ。高杉、おんしゃ気が狂ったか?」

「主がこんな事をするとは、明日は雨か?」

と茶色のモサモサと長髪が高杉と言う男をちゃかしていた。

「・・ぅるせぇ」

すると銀色のモサモサはしゃがみ込み、

「・・・お前、名前は?」

「・・銀色。・・華咲銀色・・・」

ずっと記憶の隅に封印していた名前を口に出して言った。

すると銀色のモサモサはただ黙ってあたしを抱きしめてくれた。

銀色のモサモサ、否、銀時はあたしの瞳の色を見ても何も言わなかった。

他人は信用出来ない。ずっとそう思ってた。

でも、

コイツらだけは信じられるかもしれない・・・。


いつも、モノクロで映っていた景色も

今日、涙を流した日、

景色に色が付いた。


雨雲から差し込んだ日の光は、

特別に綺麗で、

銀色に見えた。





光が差し込まない世界なんて無い。








——————遠い記憶—————・・・・。