二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 涼風が吹かなかったとある夏休み。 ( No.191 )
日時: 2011/05/11 18:59
名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 6vRIMW/o)




「……暑い」

 既にただの棒と化してしまった、ソーダ味アイスの外れ棒。翡翠色の瞳を不機嫌そうに歪ませると、少年——涼野風介は、先ほどまで頬張っていたアイスが美化されプリントされているビニールの袋を手に取ると、その中にアイスの棒を突っ込み、ゴミ箱に葬り去る。
 風介は冷凍庫の中を確かめるべく無言で立ち上がる。が、豊かな表情に欠ける口元を歪ませ、肩を落胆させるとソファに身体を再度、預けた。冷凍庫には、そこらのコンビニでも大量に販売されている棒アイスが三本程、残っているはずだった。いつもならぺロリと平らげてしまう量だが、今日は違う。気が狂ってしまいそうな気温の中、風介は言葉を漏らす。

「一緒に食べようと言ったのは、お前じゃないか……」

 そんな"お前"は、まだ帰らない。誘ったくせに、この私を待たせるなんて。

「……バカだな」


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オチなんて無い(キリッ とある神小説のFDを見ていたら衝動的に書きたくなりました。許してください←