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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 涙の味がした、 ( No.193 )
- 日時: 2011/05/14 18:21
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: cEkdi/08)
- 参照: ボカロはネ申!
「……大ッ嫌い」
涙に濡れた瞳を憎悪に曇らせ、きつく少年を睨みつける少女。まだ整っていない呼吸から、先ほどまで泣いていたことが見て取れる。赤い目元が証拠の一つだった。嗚咽交じりに吐き出される言葉。それは全て少年を拒絶する内容のものであり、決して聞いていて気分がよくなるものではない。が、少年は黙ったまま、少女の背中を優しく摩っていたのだった。
ジャージの袖口をぐしゃぐしゃにして目元を擦る。背中を摩られることを嫌がってはいないものの、なぜか少年からハンカチを借りることは拒み続けていた。
「悪かったって」
「もう遅いっ! 大ッ嫌いだから!」
そう言い放って、少女はまた泣き始める。
そして何を思ったか、不規則に揺れる体を少年に押し当てた。少年に顔を埋め、ジャージを両手で握り締めるとまた泣き出す。幼子のように拗ねる少女を、少年はただ黙ってあやしていた。
( に、しても。俺は本当に嫌われているのか……? )
言葉と行動が正反対な少女。そんな少女の本音を少年が知るのは、もう少し先のお話……——
——* 涙の味がした、 *——
( あのね、本当は大好きだよ )
( お前が俺以外を好くなんて考えられない。この、人間嫌いがな )
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何がしたいのかわからない〜♪←
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