二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 題名未定 ( No.194 )
日時: 2011/05/14 23:17
名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: cEkdi/08)
参照: ボカロはネ申!




「ばーん、さま?」
「え……あぁ、レアンか。何か用かー?」

 最近のバーン様は、様子がおかしい。いや、昔からお世辞にも"まとも"とは言えなかったけど。だって、頭に植物生やしてるだけで常識あるとは思えないでしょ? ……まあ、エイリア学園では希少価値の高いツッコミ要員だけど。

「別に、何も無いですけど」

 指でユニホームを巻き取り、くるくるとねじっては離して遊ぶ。思い切って顔を上げると、「そっか」と独り言のように呟くバーン様がいた。まるで、あたしのことなんか、視界に入っていないように。初めからいない存在のように。
 火照りとはまた違った熱さが身体中を独占して。ユニホームの裾をギュウッと掴むと、喉まで出かかった言葉を余すことなく吐き出した。

「晴矢のバカ! たまには、あたしのほうだって見てよ! ……チューリップのバカァッ!」

 ビクンと身体を震え上がらせ、きょとんとあたしを見つめるバーン様。もう、遅いんだから!
 「俺、何かしたか?」と言わんばかりにあたしの言葉を求めるバーン様を後にあたしは、話を聞いて貰おうとクララの元へと急ぐ。やり場の無い怒りと意味不明な悲しみを背負い込んで。



   ——気付いてくれたっていいじゃない。