あの頃の自分は非力で 大切な「何か」さえ守れなくて——— 目の前でどんどん どんどん どんどん 「大切な何か」が 音を立てて崩れるのを 止めることもできなくて ただ拳を強く握ってみてるだけしか できなかった——————。 あの日はただ月が綺麗で—————— 真っ黒な空に 真っ白な月がよく映えて 桜が ふわふわと くるくると 踊っていた 黒と白は 決して交わることはなく—————。