二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 早くしないと最終章が…^^; ( No.257 )
- 日時: 2011/04/13 18:30
- 名前: 薔薇結晶 (ID: 9upNnIV5)
第80話 「ガルシルドへの復讐・中編」
ジュリア「状況を簡単兼細かく説明しなさい。」
ベンチに戻るとすぐに質問を投げかけるジュリア。
何て無茶な、とイナズマジャパンのメンバーは思ってしまう。
だがユニコーンの選手は何1つ動じない。
マーク「チームガルシルドの“ガンショット”で失点、ミーシャは未だ変わった動きは無し。」
ディラン「あとRHプログラム?って言うヤツを受けてるらしいよ。」
ジュリア「RHプログラム…。アレね、ロニージョが受けてた。」
マーク「そのせいか、チームガルシルドの選手にはお前並みのジャンプ力がある。」
ジュリア「……そう、特に問題なしね。」
染岡「何処が問題無ぇんだよ!!1点先制されてんだぞ!!」
ジュリア「分かってるわよ。取られたら取り返すのみだわ。此方のシュートは?」
マーク「まだ打ってない。」
ジュリア「よろしい。」
そう言ってベンチに座らず仁王立ちで腕を組み、蒼い眼で試合の流れを追っている。
機械のように無表情なジュリアをイナズマジャパンはどんな風に感じているのだろうか。
ユニコーンは、ジュリアのチームだ。他のチームの分析の時の彼女はまさに無表情のお手本の様な表情らしい。
だがその無表情の瞳の奥で、彼女は誰よりも熱心に敵チームの弱点を探しているのだ。
見つけたら、彼女は薄ら笑みを浮かべる。
それがサインだった。
≪試合再開です!得点は0-1でチームガルシルドがリード!!イナズマジャパン追いつけるか!?≫
土方「行け——!虎丸ーっ!!止まるんじゃねぇぞ!!」
ジュリア「(…うるさい、そして何か汗臭い…。)」
土方「…何か言ったか?」
ジュリア「はぁ?私は貴方とお喋りしてる時間は無いの。話しかけないで頂戴。」
冷酷な返答に土方が凍りついた。
その際にもジュリアは試合から眼を離さない。
不動がジャンプでかわされ、吹雪がスピードで抜かれ、綱海がフェイントを食らった。
ジュリア「…スピードが尋常じゃないのは分かったわ。でもジャンプ力なら絶対的に勝つ自信があるわよ。」
ディラン「さすがジュリアだね。」
ショーン「確かにキャプテンなら勝てるかもしれませんね。」
その間も試合は進む。
クロウが“デーモンカット”でボールをヒロトから奪う。
そしてボールはDFのバファロに。
バファロからボールを奪おうと、虎丸が突っ込む。
それに気づいたバファロは慌てた様子でヘンクタッカーへとパスを出す。
慌てた様子で。
彼女は、笑みを浮かべた。
だがその笑みはいつもの笑みではなかった。
いつもより、怪しげな笑みだった。
ジュリア「…分かったわよ、チームガルシルドの弱点!」
マーク「見つけたのか!?」
ジュリア「えぇ、コレは致命的な弱点ね。対策方法も完全にたてられたわ。」
目金「こ、こんな短時間に対策方法まで!?」
ジュリア「当然よ。私を誰だと思ってるの?」
「『絶対クイーン』、ジュリア・クラウンよ。」
ジュリア「……まぁ、最も気づいたのは私だけではないようだけれど。」
そう言ってジュリアは視線をある人物へと向ける。
その先に居たのは雷門夏未。
バファロがヘンクタッカーへ出したパスは、不動により遮られた。
鬼道「今だ!!“デュアルタイフーン”!!」
ジュリア「“デュアルタイフーン”と言うと…必殺タクティクスだったわね?」
目金「あれれぇ〜?もしかして、ご存じ無いんですかぁ?だったらこの僕、戦術アドバイザー目金欠流g「言われなくても知ってるわ。」なっ…!!」
ジュリア「対ナイツ・オブ・クイーン戦でイナズマジャパンが生み出した必殺タクティクス。2人の司令塔がそれぞれの円の中でボールをコントロールし、ゴール前まで運ぶ…。まぁ、突破出来なくは無いわね。」
私なら円の周辺に選手を置いてパスを遮るけれどね、と言う。
目金、愕然。
チームガルシルドの選手を次々に抜いて置き去りにする。
そして、シュートチャンスが訪れた。
虎丸「“グラディウスアーチ”!!」
フォクス「“ビックスパイダー”!」
気持ち悪、とジュリアが零す。
だがその気持ち悪い技は“グラディウスアーチ”を止めて見せた。
そして、一気に前線のコヨーテまで繋げられる。
一瞬で加速し、イナズマジャパンのDFもユニコーンのトニーとダイクも追いつけない。ゴール前。
急に円堂大介が叫んだ。
「がん、しゃん、どわぁ————んだ!!」
「「「「は?」」」」
と、ユニコーンの選手はジュリアも含めて力が抜けた。
いきなり何を叫んだかと思えば、GKである円堂と立向居とロココが考え出す。
ジュリア「な、何なのよ…。」
マーク「さ、さぁ…?」
円堂家のオノマトペで表されるあの必殺技の覚え方を知らないジュリア達は首を傾げる。
今まで、びょーんだとかびゅんだとか、だん、ぎゅん、どかん等、円堂大介の必殺技のオノマトペは、イナズマジャパンには馴染んでいるものばかりだった。
すると、円堂とロココが何かに気付いたようで、
「「そうか!そうやって気を貯めれば!!」」
と、見事にハモった。
それを聞いてジュリアが、「あぁ、気の貯め方なのね」と呟く。
円堂「がん、しゃん、どわあぁぁ——んっっ!!!」
と、叫びながら止めようとしたが、薄ら黄色い影が見えただけで、シュートは止められなかった。
0-2
第80話 終わり