二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.269 )
- 日時: 2011/04/25 18:47
- 名前: 薔薇結晶 (ID: AlgR.W1y)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/MYBLOG/yblog.html
第83話 「女王は『速い事』がお好き」
ジュリア「マーク!ディラン!!5分以内に1点よ!!」
ジュリアが2人に放った一言で、その場は驚きに包まれる。
チームガルシルドや、ガルシルド本人に至っては、狂ったように反論する。
ガルシルド「5分以内に1点だと!?はっはっは!!お前も遂に可笑しくなったか!ジュリア・クラウン!!」
ジュリア「別に私は可笑しくなんてなってないわ。」
この言葉は、半分本当で、半分嘘であった。それに気づいているのはマークだけだろう。
まず、“蒼薔薇開眼”には10分の時間制限がある。
5分でさっさと片付けようとしているのは、2点目を取った後に疲れを残さないためだった。
10分ギリギリだと、試合を続行する事が出来ないのだ。
理由は至って簡単で、“蒼薔薇開眼”は時間が長引くほど、体力を奪っていくからだ。
10分を過ぎれば、2人の片目が蒼薔薇に飲まれてしまう。
だが、それ以外にも目的があった。
チームガルシルドの選手を、怒り狂わせて、判断力を削ぐ事。
その為の、作戦だった。
ジュリア「マーク!」
手を挙げてパスを命じるジュリア。だが、それ以外にも何かを命じたようだった。
マークは態とかなり手前の方にボールを蹴った。
それは、ジュリアよりも、彼女の近くに居たミーシャの方が近い場所だ。
当然、ミーシャはそれを拾おうと動く。が。
其処にボールは無かった。
気が付いて顔を上げると、ユニコーンの3人はかなり遠い所に居た。
此処からRHプログラムをどう使っても3人には追いつかない。
秋「速い…!」
春奈「RHプログラムよりずっと速いですよ…。」
ショーン「まぁ…、」
と、ショーンが口を開く。
「女王様は『速い事』がお好きですからね。」
確かに、とユニコーンのメンバーは頷いた。
その光景を、イナズマジャパンのメンバーは呆然と見ていた。
虎丸「速い…ですね…。」
豪炎寺「あぁ…アレは恐ろしい位の速さだな…。」
と、走りながらその後ろを走る豪炎寺と虎丸。
鬼道と不動も。
不動「おいおい…あんなのアリかよ。」
鬼道「何て身体能力をしてるんだろうな、あの3人。」
“ローリングサンダー”で、一気に相手のゴール前まで駆け上げるだけの能力があるのだから、これはもう素晴らしいとしか言いようがなかった。
ジュリアは、“ローリングサンダー”には参加していないが、誰かの代理として入る事はある。
それ以前に、ジュリアの身体能力は元々計り知れないものだ。
ジュリア「Let's start!」
彼女がそう言うと、2人は走るフォーメーションを変えた。
何故なら、前方から3人ほどDFが来ていたからだ。
ジュリアは、ぽぉん、とボールを蹴りあげた。
そして、高く、高く、跳んだ。
ジャッカルがボールを追って跳ぶ。
だが、空中でジュリアが操るボールには、掠りもしなかった。
そして、ジュリアが落ちてくると、マークとディランが高々と上へ放り投げた。
——直進型必殺タクティクス“アクロバティカ”!
空中でジュリアがボールをコントロールし、相手には一切触れさせない、ドリブルでもなく、パスでもない、新しい攻撃パターンだった。
そして、ゴール前まで来て落ちてきたジュリア。
2人にアイコンタクトで指示を出し、跳ぶ体制に入る。
2人は思いっきり上へ放り投げた。
其処から、ジュリアは体制を変える。
その後に…、思いっきりボールを蹴り落とした。
「“真、天空・落下薔薇”!!!」
下で待ち構えるフォクスだが、あまりの『速さ』に着いて行けず、“真天空・落下薔薇”はゴールに突き刺さった。
スタンッ、とジュリアが降りてきた時には“蒼薔薇開眼”も解けていた。
そしてフォクスを見下ろし、こう言った。
「残念だったわね。貴方が手に入れたRHプログラム(ソレ)は、私の前で無力となったわよ。」
第83話 終わり