二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.535 )
- 日時: 2012/01/14 16:43
- 名前: 薔薇結晶 (ID: Bj/lm3Yj)
- 参照: http://ncode.syosetu.com/n3927y/
第31話 「『小さな冠』VS『緑の狩人』—後半(1)」
スーラン「まさか人間ごときに失点するとは思わなかった。」
ケイン「あれは気持ちの勝負だった。本気で勝ちたいと、そういう…気持ちの。」
スーラン「…気持ちなんて、くだらないだけじゃないか。」
そう言って身を翻すスーラン。
閉じている瞳からは何も感じられなかったが、表情は怒りに満ちていた。
スーラン「後半、私が指揮をする。口答えは許さないからね…?」
ホイッスルがフィールドに響き渡った。『リトル・クラウン』はアンジェロに変わりアフロディを投入。
『緑の狩人』のキックオフで試合開始。
シーフがボールをタッチし、ジャスミンが後方へボールを回した。
ボールを受け取ったのはスーラン。
スーラン「ここで私達が敗れる事は許されない。生存の為に、戦うよ。」
「“密林地帯”」
スーランがポツリとつぶやくと、みるみるうちに大量の木が生い茂った。
辺り一帯を見渡しても、自分以外は誰も居ないような場所。
スーラン「さぁ、狩りを始めよう。」
<<ストンッッ>>
「っ!」
ゴールに立つ円堂の真横の木に、一本の矢が突き刺さった。
そしてふと前を向けば、目の前にFWのジャスミンが目の前に立っていた。
円堂「いつの間に…っ?」
ジャスミン「貴方達が翠眼龍の逆鱗に触れた時から。」
円堂「は…すいがんりゅう??」
ジャスミン「知らないのね。じゃぁ…、」
「喰われて死ぬだけ!」
そう言い残すと、ジャスミンは後方に跳び、木の上に着地。
代わりに円堂の前に出たのは、スーラン・グリーンローズ。
スーラン「そう。私の怒りを買ってしまえば喰われて死んで、忘れられるだけ。」
円堂「…え、って事はさっき言ってた龍って…!?」
スーラン「その通り、私の二つ名さ。」
「君の全てを射抜いてあげよう!!」
そう言って、翠眼龍は瞳を開けた。
飲み込まれるくらいの、綺麗な翠。
今までは世間に晒した事の無かった、神眼。
「“宝弓優月”!!」
「“ゴッドキャッチG5”っ!!!」
ふわりとボールが浮き、神眼を持つ翠眼龍によってボールは龍を纏い、射抜かれ、円堂の元へ一直線に進んでいく。
円堂は金色の魔神を従え、迎え撃つ。
スーラン「幾億の矢を放ち、幾千の的を射た、私に君が勝てる訳がないッッ!!!」
魔神を貫き、ボールはゴールネットを破く勢いで突き刺さった。
スーラン「もう手加減なんて誰にもしてやらないさ。世界中の誰であってもね。」
と、円堂を見下すように吐き捨てた。
“密林地帯”が解かれ、スーランは元の位置に戻っていった。
スーラン「ジュリアが居なければ君達も、怖くもないさ。」
一之瀬と土門にもそう言って、クスッと笑うスーランは、恐ろしい程に楽しげだった。
そしてまた、ホイッスル。
「“狩人の為の独奏(ソロ)=solo for ranger=”」
誰かが、そう言った。
そして、聞いた事の無い旋律と、何処かで聞き覚えのある音色。
風丸「何だ…!?」
スーラン「“狩人の為の独奏”。作曲者は、」
「ジュレール・ブルーローズ。」
スーランは言った。
その直後、彼女自身の『フィールドチェンジ』、“ギャラクシーアロー”も発動された。
スーラン「前よりは強くなったと見た。この間よりも矢の数を増やさせて頂こう。“流星の矢”!!」
この間の対戦の倍はあるであろう“流星の矢”が『リトル・クラウン』陣内に降り注ぐ。
ボールを持った豪炎寺はそれを突っ切るかのように全てかわして見せた。
円堂「やったぜ豪炎寺!!」
一之瀬「抜けたか…!」
そのまま『緑の狩人』陣内に突っ込んで、ゴール前まで辿り着く。寸前だった。
豪炎寺の足に、薄黒い緑の荊が絡み付いた。
豪炎寺「何ッ…!?」
スーラン「そんな簡単にゴール出来ると思わない方がいいね。」
豪炎寺よりもゴールに遠いスーランが言った。
スーラン「地獄に引きずり込んであげよう、豪炎寺修也。」
バッ、と。
豪炎寺を何かが包み込んだ。
よく見るとそれは大きな大きな、緑の薔薇。
緑の薔薇は豪炎寺を飲み込むと一瞬にして地面に還って行った。
円堂「豪炎寺!!」
風丸「何だ今の…!!」
ジャスミン「これが“狩人の為の独奏”の能力。発動者の意思に連動して、必殺技を繰り出す。」
シーフ「ここまでとは思わなかったけどね。」
ランプ「それほどまでにジュレール様が崇高なのよ。誰もあの方には及ばないわ。」
ジャスミン「これって出てくるの何分後だっけ?」
スーラン「豪炎寺修也がフィールドに戻ってこれるのは5分後。それまでは10人で耐えるしかないさ。」
ボールはケインからランプを経由してリオンへ。
リオンは『リトル・クラウン』MF、DFをするりと抜け、円堂と一騎打ちの状態に。
リオン「何度やっても堕ちないならば砕いて宇宙の塵にしてやるさッ!!“木星(ザ・ジュピター)”ァアァ!!!」
円堂「次は入れさせないぜ!!、“ゴッドキャッチG5”!!」
大きなエネルギー同士がぶつかり合って、衝撃波が生み出された。
土門「何てパワーだ…ッ!!」
一之瀬「これは相手のFWも、円堂も、かなりのダメージが来るぞ…!」
リオン「くッ…!!」
円堂「負け、る…もんかァ———ッ!!!」
円堂の“ゴッドキャッチG5”は、リオンの“木星”を完全に弾き返した。
あまりの衝撃に、円堂はゴールに吹っ飛ばされ、リオンは正反対の方向に飛ばされた。
そして、両者はそのまま倒れこんだ。どうやら一之瀬の予想通りだったらしい。
風丸「円堂ーっ!!」
第31話 終わり