二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 10000Thanks ( No.615 )
日時: 2013/01/02 13:09
名前: りむう。 (ID: cUbZls8V)

第37話 「決意」





前半が終了し、ふらふらになってベンチへ戻ってきた『リトル・クラウン』の選手達。
サクラのFC、“桜十字ノ狂踊舞槍”はかなりのダメージがあったようだ。

「ちょっ…痣だらけじゃない!!」

「痣だけじゃない…擦り傷も相当数あるわ…」

マネージャー3人の顔が真っ青になるくらい、11人の選手は傷だらけだった。
誰も言葉を発さないあたり、体力の消耗も激しいらしい。


「…仕方ない。メンバー総入れ替えだ」

「待ってください…!!」


誰かがそれに反論した。視線がそこへ集中する。
フィディオだった。


「サクラは、俺達が、…救わないと…!!」

「だが、お前達はそれだけの傷を負っているんだ。それでもまだ、戦えると言うのか?」


シャルソンがフィディオの前に立ち、そう言う。


「もちろんです…!!」

「大丈夫です。…戦えます!」

強い眼差しでシャルソンに訴える11人の選手達。
シャルソンはついに折れたようで、円堂大介に事情を説明し、承諾した。

「マネージャー。11人全員にアイシングを、時間ギリギリ迄」

「そんな…ッ、無茶です!!」

「そうですよ!!後半全部を戦えるわけないです!!」

「…彼らじゃなければ、カーライトを救えない」

と、冷静かつ冷酷な眼付きで睨む。
マネージャー陣は反論せず、頷いてアイシングの用意に取り掛かった。



対する『桃色の催眠術師』。


「ふふっ…無茶な事をしますね、彼らは」

余裕綽々の表情で『リトル・クラウン』のベンチを見るメアリー。
他の『桃色の催眠術師』のメンバーも同じような表情でそれを見ていた。


「サクラさん、貴女愛されてますわねぇ…?」

「…そうだね…。まだ、愛されてたいな」

「特に白い流星…フィディオ・アルデナ、だったか。彼は貴女に相当なものを抱いているような気がするが」


ターニャがサクラに問いかける。
サクラはそれに、こう答えた。


「そっか。まだ、私…フィディオに見捨てられてないんだね…」







         <<ピ————————ッ>>



後半が開始された。『桃色の催眠術師』ボール。
開始直後、ボールはサクラの元へ。


「“桜十字ノ狂踊舞槍”ッ!!」



前半同様、サクラのFCが発動された。
無数の槍に討たれ倒れる『リトル・クラウン』の選手。
ベンチのマネージャーは見てられないとばかりに顔を手で覆う。


「もう、いいんだよ。戦わなくたってさ」


サクラはそう言った。
フィディオの元へ歩みを進めながら。
そして、彼の元へ辿り着き、しゃがんみこんで、小声でこう言ったのだ。

   「あとは、私に任せてよ」


「!?」

言われたフィディオも、何の事か全く分からない、という表情でサクラを見つめた。
それを見て、サクラはクスッと笑い、「大丈夫だよ」と告げた。

ボールへと歩を進めるサクラの表情は決意に満ちていた。


「さーてと!」


と、メアリーの方へ向き直るサクラ。
「どうぞ」と言う風に『リトル・クラウン』側のゴールを指差すメアリー。


「もういいよね?ジュレール…いや、ジュリア!!」


大声で天を仰ぎながらそう叫ぶサクラ。
「どうせこの試合も見てるんでしょ?」と、大声で続ける。


「あの時、ジュリアは私に質問したよね?

             今から、あの質問の答えを返すね!!」



そしてそのままシュートフォームに入るサクラ。
メアリーがどうしたのかと言わんばかりの表情でサクラを凝視する。


「“ブロッサム・ブルーム”ッ!!」



桜の花びらを撒き散らしながら、必殺シュートは『桃色の催眠術師』側のゴールを貫いた。





第37話 終わり