二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 桜の図書館 (inzm/小説集) オリキャラ募集開始!! ( No.162 )
- 日時: 2011/12/24 08:13
- 名前: さくら (ID: z2eVRrJA)
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場所変わって此処は“ボルケイノ・ヴィレッジ”跡地。破壊された直後よりは随分と益しになったものの、やはりまだ瓦礫は残っているし、濛々と漂う嫌な臭いに、訪れた2人の少女達の内の一人、茶髪の少女が鼻を摘む。
「まさか、此処までやってたなんて、・・・、」
だらし無く毀れた言葉が、被災の深い真情を物語る。眉を八の字に潜め、何処か悲しそうな表情だ。そして彼女は隣に居た金髪の少女の表情を黙って伺った。
茶髪の少女とは逆に、否、少しは同じ様な感情も持ち合わせているだろうが、蒼く燃え滾る様な蒼眼に強い意志を巡らせ、無表情で活気あった村のザマを眺めていた。
「・・・少し、遅すぎたかもしれないわね・・・・・、」
堅く締められた唇の端を更に堅く締め、一瞬悲しそうな表情をした後、またいつものポーカーフェイスへと戻るのであった。
「うん、私達に情報が入って来るのは早かったはずなのに。もう少し早く動いていたら、ね。・・・ジュリア、」
茶髪の少女———“清野サクラ”及び“サクラ・カーライト”は戻れない過去の自分に想いを馳せる。視立て17位の少女でストレートで艶のある長い茶髪を頭上高い位置で結い、輝く淡いライムグリーンの瞳に端整な顔立ち。
そんなサクラに名前を呼ばれた金髪の少女———“ジュリア・クラウン”及び“優峰樹理亜”。彼女はサクラの呼びかけに小さく頷いた。ジュリアの髪は一本一本が柔らかく品のある綺麗な髪の毛であり、髪色は金髪。ウェーブの掛かってるその金髪は、光に当たる程輝きを帯びていた。そんな金髪に、蒼眼。
彼女達は今回の第43次魔聖大戦に出生する魔族の二人でもある。
「私達の争い戦う決闘劇で勝ち残った者に与えられる新約聖書の魔力を溜める為に必要なのは、生きた魔族の魂。それも大量な」
「そして、今回の標的にされたのが、此処、“ボルケイノ・ヴィレッジ”って事だね、」
「そうよ。本当、何て事を仕出かしてくれてるのよ。こんなんじゃ、何の為に魔聖大戦を開催しているのか、全く分からないわ」
「命を天秤に掛けるなんて・・・っ、」
「これは、何としても勝ち進まないといけないわね」
「うん、」
墓の広がるこの地に堅く目を閉じ、二人の少女は強く意を決したのだった。
「さてと、本題に入るとするか、」
*
ギン!鈍く嫌な音が響き渡る。此処は“ウォリアーテイル”1層目のとある国の裏路地。
所々ハネている紫色の髪を赤いリボンでサイドに結っている。髪は所々ハネ、余り手入れはされていない様だ。そして、瞳は綺麗な紅色。
衣服と頬には返り血が少々付いていた。
「ちょっと、殺り過ぎたか、」
彼女は、魔聖大戦に出生する魔族の一人である。
「虹彩、お前も出生するのか。実は、アタシもなんだ」
行き成り襲ってきたであろう数名の不良共を蹴散らし殺った後、浴びた返り血を叩いた。
「さてと、アタシも、動き出すとするか」
10I.( 猛者の出生 )