二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 心霊探偵 八雲【ファイル1 死者の叫び】 ( No.3 )
日時: 2011/01/28 16:57
名前: 凪 (ID: ObYAgmLo)

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「最悪だ」

八雲の口から漏れたのは、新聞をまだ読んでいる途中の時だった。片手には携帯電話を持っている。不機嫌そうな顔だった。
晴香は何事かと、携帯電話を八雲の後ろから覗き込む。

「後藤刑事?」

晴香は呟いた。ここで改めて思う。ごく普通の大学生が刑事から電話なんて、そうあることじゃない。八雲はすごいな…、と晴香は思った。
が、八雲は電話のコ—ルが聞こえているはずなのに電話に出ようとはしない。携帯電話を自分の隣に置いて、新聞を読み始めたのだ。電話をかけている方は「もう、いないんだな」と諦めると思うのだが、これが長いこと続く。晴香は、不思議に思った。分かっているのなら、早く出ればいいものを。

「八雲君、早く出たら」

晴香の一言で、八雲は携帯電話を開く。あいかわらず、不機嫌そうな顔は変わらない。

「何です?後藤さん」

<何です、じゃねえ!!遅いっつうの!早く出ろ>

後藤の大きい声は晴香にも聞こえていた。後藤は怒っている。もし、晴香が声をかけていなかったらどうなっていたのだろう。とりあえず、八雲は電話に出るだろうが、その時には、これよりすごかっただろう。
だが、晴香の恩などない。八雲は平気な様子で話を続けた。

「用件は?」

八雲は、怒られていたのにもかかわらず、話を進める。
まったく、すごい神経をした男だ—。

<…っ。クソッ!まあいい。そうだな、八雲知っているか?>

「知りません」

<先に聞け!2か月前、あるアパ—トで放火事件があったんだが…>

「ああ、知っています。マンションが全焼したらしいですね」

八雲は電話を片手に、新聞を見ながら言った。

<あぁ。そこで、不審な点があるんだが…>

   
              〜続く〜

◆アトガキ

はい、後藤刑事登場!!
いきなり怒っていましたね(汗
八雲は、すごいですよ!?(何が