二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.138 )
- 日時: 2011/04/13 19:03
- 名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)
「ーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!」
「うう!!」
さっきよりも格段にスピードを上げている飛び道具の飛来速度。
カービィは、血を拭う暇もなく、空中ですっ転ぶようにかわす。
それで安心できるわけもなく、すぐに攻撃がくる。
ただでさえ素早いドロッチェの暴走状態。
疾風…否、神風に等しきスピード。
「(スピードが速すぎて反撃ができない!)」
しかも、下は湖の中心。
着地したところで足がつかない。
空中戦が18番のドロッチェに、対抗ができない。
「ーーーーっっっっ!!ーーーーーーっっ!!ーーーーっっ!!!」
獣の声ですらない、絶叫。
瞳を限界まで見開き、手加減という言葉は跡形もなく消え失せ、ぶち切れたリミッターのように、暴走する。
攻撃は桁違いにレベルアップし、知力はあっけなく0になった。
カービィたちは、ドロッチェの一番のキーワードに触れてしまった。
そのおかげなのか、代償なのか、鬼のごとく、形をも超えた、憤怒をあらわにしてしまった。
ドロッチェには、『仲間』というキーワードがあった。
「だからドロッチェは…!!力を求めるんだね!!やっとわかったよ!
でも!それはなにか違うよ!!」
回し蹴りで飛び道具をはじく。
すぐにくる飛来。
カービィは必死で攻撃をかわす。
それでも確実に傷が増えていく。
少しでも油断したら…。
そう考えるだけでぞっとする。
「ドロッチェは!仲間がとっても大切なんだね!!」
「ーーーーーーーーーーーーーっっ!!」
返事はなかった。
「だからスピンたちにはなるべく戦闘させないようにしてたんだね!最初のメインストリートで戦おうとすればできたのに!それにデデデのとき1人で戦ってたけど、後ろにはスピンたちが控えていた!」
「ーーーーっっっ!っっっーーーーーーーーーーーーー!!!」
今のカービィはファイターをコピーしているが、一定ダメージをうけてしまったら、コピーした能力は使用できなくなってしまう。
あと少しでそこまでに達してしまう。
「(足場さえあったら…!)」
そもそもファイターはショートレンジ戦専用ともいえるコピー能力。
空中の接近戦でも利用できるが、相手がドロッチェだ。
しかも足場がない最悪の状態。
ズキリ…
「くぅ…!!」
右足に再び戻ってくる激痛。
最初の戦いの怪我。
「(リボンの薬がきれてきてる…!!)」
早く勝負をつけなければ!
「ーーーっっっ!!!!!」
構えられるアイスレーザー。
「あ!」
カービィは愕然する。
この近距離ではかわせない。
まずい!
カチッ
「…!?」
ドロッチェに驚愕がはしる。
レーザーがでない。
カチッカッチッカッチ
どれだけ弾きがねをしぼっても、発射されない。
「え…?」
カービィも驚くが、今のスキを狙って浅瀬まで一気に退避する。
「ぶはあ!!ハアハアハア…!!」
浅瀬に着地した途端、あふれ出る疲れ。
「カー君!ここで決めるよ!もう少しだけがんばって!!」
アドレーヌの声がかかる。
「う…うん!」
まだ倒れてはいけない!
カービィは意思を緩めずに、身構える。
「またせたな…」
ドロッチェのアイスレーザーのトリガー部分を破壊したのは、メタナイトだった。
「ーーーーっっっ!!!」
どうやらドロッチェも気づいたようだ。
今度はメタナイトを攻撃する相手としてとらえる。
「(…!あの作戦を使うのか!)」
カービィは確信した。
「カービィ!乗れ!」
デデデがカービィを呼ぶ。
「あっちにとばせばいいんだぞい?」
「まだとばさないでね…」
「いくよお!!!」
アドレーヌの高らかな声と共に、絵が実体化される。
メタナイトが何体も実体化される。
「…!?」
「ようするに…!影分身よ!!」
実体化されたメタナイトたちが、ドロッチェの周りを囲む。
その間にも、オリジナルのメタナイトも一を変えて、本物の判別をできなくさせる。
「!!!これは…!」
わずかな言葉をドロッチェはもらした。
「さあ。勝負をしようではないか」
淡々な口調で、オリジナルが言った。
ドロッチェが判別に焦っている。
突然のことでわからなくなっている。
「ちく…しょう…!!!」
杖を傷だらけの腕で持ち上げ、メタナイトの分身たちを蹴散らそうとするが、どうやら、体力の限界だったのか、バランスを崩してしまう。
「ーーーーーーだああああああああああああああああ!!!!」
ドロッチェの激昂が響き渡る。
「今だ!!」
メタナイトの声が響く。
どのメタナイトが言ったのかはわからない。
でも…。
カービィにはわかった。
なぜなら、この作戦のとならもうとっくに知っている!
「デデデ!とばして!!」
「了解だぞおおおおおいいいいいいいいいい!!」
カービィは、デデデのハンマーに乗る、そして、デデデが思いっきりそのハンマーを振り切る。
ロケットになったような勢いで、カービィは吹っ飛んでいく。
その場所は…。
「だらあああああああああああああああああああああああああ!!!」
「!!!」
メタナイトの分身の一体を、カービィは突き抜けた。
その一体は、絵の具と化し、実体から解放される。
そして、盲点だった死角から、思いっきりカービィは、拳を一陣の風にして振り上げる。
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「まずあいつの体力を消耗させる。そこが一番重要だ。その状態から、アドレーヌが私の分身を作り出す。その分身の中に、陛下のハンマーの勢いで突っ込んでいくんだ。そこで一撃で決めるんだ。それなら、お前の足をそこまで負担にしなくても済む」
「了解!うう…メタナイト描くの難しそう…」
「カービィ。もしお前が決められなかったら、私が後ろから攻撃しにいく」
「大丈夫。ボクが決める!」
絶対に!
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「ライジンんんんんんんんんんんんん!!!」
ほどばしる稲妻。
必殺の一撃。
「…わるかったな…」
ドロッチェが、静かにうわごとのように言った。
暴走状態が弱まったのか。
体力がなくなって、限界だったのか。
仲間への謝りだったのか…。
「ブレええええええええええイいいクうううううううう!!!」
正義の雷の拳が、炸裂する。