二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.15 )
日時: 2011/03/25 13:58
名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)

プププランドの時計の針は、正午ぴったりをさした。


カービィたちは、プププランドの村長、レンの家で昼ごはんを食べていた。
ここ一年は、一か月に一度、プププランドのみんなで集まって昼ごはんを食べるようになっている。

「いやはや、この昼食会もプププランドの恒例行事となってしまったのう」

「いいじゃない。毎回私が腕によりをかけて作った料理。ぜひみなさん
に食べてもらいたいですもの」

レンの言葉に、レンの妻、ハナが微笑んで言う。

「じゃあ次回から僕もハナさんと一緒に料理するよ」

プププランドのただ一人の料理人、カワサキ。

「いやいや・・・それはやめておいたほうがいい」

バブの店主、サモ。

「同館よ、サモ」

占い師、メーベル。

本当にありとあらゆるたくさんの人々(?)が集まっている。

昼食会とはそのとおりで、規則正しいということはない。
なぜなら今、カワサキとガスが取っ組み合いをしている。
それを止めようとするが、あまりの激しさにすっ転ぶ、タゴとガング。
取っ組み合いをなんとしてでもとめようとする、ボルン。
オロオロとそれを見ている、サトとキュリオ。
楽しそうにはしゃいでいる、イロー、ハニー、ホッヘ。
見て見ぬふりをしている、ヤブイとモン。

プププランドは多民族でできた国。
だからこそ、まあ住民たちの性格も十人十色。
それでも、結束力は強く、昼食会なども皆喜んで参加する。
全体的に皆仲良しなのだ。
とある一部をのぞいて。

「おいしーい♪ムシャムシャ・・・・」

カービィはおいしそうに、特大のステーキ(カービィだけ特別)を食べている。

「オホホ…カービィが食べているものは全部おいしそうに見えるわ」

フームたちの母であるメームは、カービィのものすごい食欲に動じない笑顔を見せている。

「でもカービィ。食べすぎはあまりよくないからな」

メームの夫、パームは、あわてているように言う。

「パパ。そんなこと言ってもカービィに行っても無駄よ」

「カービィはごはんになると、なんにも聞かないぞー」

フームとブンの笑い話にも、カービィはそもそも聞こえていないのか、
食事をストップすることはなかった。

皆のワイワイとした食事の中、トッコリだけは暗い表情をしていた。

『プププランドの史上最上の危機・・・・』

カービィが朝、独り言で言った言葉がどうしても頭から離れないのだ。

(なんなんだよ・・・・史上最大の危機って・・・・・!)

しかもその前に言った言葉に、『マルク』。

(まさか・・・!またなんかやべえことがおこるんじゃねえだろうな?)

カービィにも聞いていいのか悪いのかがわからない。
トッコリは冷や汗を浮かべる。

(あいつが嘘言うわけねえよな・・・・それに寝ぼけたにしてても行き過ぎている!なんなんだ・・・・!)

「トッコリ?」

フームの不安そうな声で、トッコリは、はっとした。

「どうしたのトッコリ?具合でも悪いの?」

「い・・・いや、違う・・・・ただ・・・?」

「ただ?」

トッコリは迷った。
今朝のことを言おうか。
しかし、ただたんにカービィが寝ぼけていただけだとしたら、混乱を招いたあとどう免罪しようか。

(ああ!どうしておいらこんなやっかいごとを!)

トッコリは迷った末、フームに言うことにした。

「なんか・・・今朝、カービィは独り言で意味わかんねえこと言ってたんだよ」

「意味わからないことって?」

フームは、真剣に話を聞いている。

「・・・プププランド史上最大の危機、とか」

「プププランド史上最大の危機!?」

フームは自分でもびっくりするくらいの声で叫んだ。
しかし、誰ひとりとしてその声に目を向けなかった。
無視したわけでもなく、宴会のように盛り上がっていて気が付かなかったわけではなく、皆、フームの声と同時に起こった出来事に目を奪われたのだ。

一言でいえば、うるさいエンジン音。

この音は、プププランドに住んでいれば誰もがわかる音。

迷惑な音。

迷惑・・・そう。

迷惑大王の来訪である。