二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 運命の車輪 ☆お知らせあり★  ( No.196 )
日時: 2011/05/02 21:15
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)


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「ダメよ!!これ以上戦っちゃダメよ!2人とも死んじゃうよ!!」

「まて!!アドレーヌ!!」

〝戦場〟に向かって走ろうとしていたアドレーヌを、デデデがすかさず腕をつかむ。

「離してよ!!離して!このままじゃ!!このままじゃあ!!!」

「ダメだぞい!!行くなぞい!!」

「大王はいいの!?死んじゃってもいいの!?それでいいの!?」

「よくないにきまっとるぞい!!」

涙をポロポロとこぼす、アドレーヌ。
悲痛に叫ぶ、デデデ。

「でもカービィは手を出すなと言った!!わしたちには手を出すなと言った!!これはカービィの戦いぞい!!星の戦士戦いぞい!!わしらの
出る幕じゃないぞい!!」

「でも…!!」

「カービィは絶対に死なない!負けないぞい!それを信じるぞい!カービィが戻ってくるのを信じるぞい!!カービィはわしらのためにも!この星の全てのために戦っているぞい!!信じるぞい!!仲間だからこそ!仲間を信じるぞい!!」

「う…うううぅ…!…お願いよ…死なないで…!」

「大丈夫ぞい!なんせ奴はわしが認めた唯一のライバルぞい!」






プププ湖周辺は、地獄と化していた。







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絶大な力とは、まさにこのことだろう。



カービィは、倒れていた。
あまりにも、強すぎる。
あまりにも、常軌を越えている。


たった、少しの短時間で、この場を地獄のようにさせてしまっていた。
地獄の業火で焼かれたような大地。
極寒の吹雪に凍り付かせられたような空気。
震撼の稲妻に撃たれたような空間。

そんな中に、カービィが倒れていた。
体中が、ボロボロ。
傷の上に傷を重ねたような体。

おもりのように重い体。
ピクリとも動かせない体。
痛みすら感じない感覚。
薄れていく意識。
暗くなっていく視界。

星の戦士は、死にかけていた。



「だらあああああああぁぁぁぁああああぁぁあああ!!!」

ドロッチェは、戦っていた。
マントはもうボロボロで、血まみれだった。
それでもカービィを守るように戦っていた。
ダークゼロに何度攻撃をうけても、立ち上がって戦っていた。
でも、差は圧倒的だった。
もともとかなりの手負いだったのに、再び強敵と戦うなんて、無理だったのか。


戦いが始まると、ダークゼロは体の形態を変えた。
炎、氷、雷を自由に操り、攻撃してきた。
その攻撃を、カービィたちは何回もくらい。
あまりにも強力な攻撃に、カービィたちは、なすすべもなかった。

「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

ダークゼロの笑い声が、崩壊する大地に響き渡る。

それすら、今のカービィには遠く聞こえる。

遠すぎて。

わからなくなっていく。

「…!!カービィ!!死ぬなよ!!あんたはまだ死んじゃだめだ!!」

あ、やっと名前でよんでくれたね。

でも、その言葉すら遠い。

霧がかかっていくように、消えていく。

「あんたが死んだら…!誰がこの星を守るんだよ…!!!」

ガンガンガン!!!

必死に攻撃を防ぐドロッチェ。
遊びのように、余裕で攻撃を加えるダークゼロ。

「っぐあああああああ!!」

ドロッチェは雷撃をくらい、その場で崩れ落ちる。

立ち上がって、こない。

「ギャハハハハハハハハハハハ!!モウ終ワリカ!ギャハハハ!雑魚ドモメ!!」

ダークゼロの罵声。

ドロッチェは、動かない。

血が、水たまりをつくっていく。



嫌だ。

嫌だ。

叫びたいのに、叫べない。

声がでない。

そもそも口すら動かない。

嫌だ。

どうして。

どうして守れないのだろう。

どうして守れないんだ。

大切なものを、どうして、守れないんだろう。

なんでだろう。

あんなにも大切なのに。

あんなにも、大切なのに。

あんなにも大好きなのに。

あんなにも、大好きなのに。


あんなにも…愛しているのに…。






「無力ナ星ノ戦士!死ネ!」




死にたくなんかない。

ボクは、まだ。

まだ守っていない。

まだ、まだ。

救っていない。

皆を。

この星を。

まだ。

まだ。



全てが遠くなっていく。
全てが色あせていく。
全てが、死んでいく。

崩壊していく。

滅んでいく。



地表に頬があたっている。
酷く冷たい。
冷たい。
凍える。
死んでいく。
冷たい。
冷たい。



眠くなっていく。



『死ぬの?』

死にたくないよ。

『もう終わるの?』

終わりたくなんかないよ。

『これでいいの?』

よくないよ。

『もうダメなの?』

…嫌だ。

『守りたくないの?』

守りたいよ。

『救いたくないの?』

救いたいよ。








救いたいよ…!
守りたいよ…!
皆を…!

死にたくなんかないよ…!





『…じゃあ、君に〝最後の力〟をあげる』

え…?






『呼んで…』

呼…ぶ?




『君の、意思でつながっているものを…』



意思…?






「わ…あぷ…す…た…ぁ…」







死んでしまいそうな星の戦士。



だからこそ。




全てを投げ打ってもいいと思えたんだ。































カービィ。





星の戦士。




さようなら。



またね。




皆。





ボクは





ボクの大切なもの、すべてを守る。