二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.22 )
日時: 2011/03/26 11:02
名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)

「クリスタルには、強大な力があります。ダークマター一族が、クリスタルを狙ったのもそのためです。今まで、リップルスターの妖精たちや女王様は、リップルスターに住まうものではない民には決してこの力を
口外せず、他の星にも公開していませんでした。悪用するものがいるかもしれなかったのです。しかし、このポップスターの危機を、私は黙っていることはできません」

リボンは苦しそうに言った。

リップルスターをダークマター一族から守り、クリスタルを無事取り戻したカービィたちは、ポップスターからの親善大使となり、リップルスターと友好を結び、貿易を行っている。
リップルスターには、一緒に旅をしたワドルディ。
ポップスターには、妖精リボンがそれぞれ派遣された。
だからこそ、リボンにとって、ポップスターは第2の故郷なのである。

「今から皆さんに見せるのは、このポップスターの未来です。信じがたいかもしれませんが、真実です」

リボンはクリスタルをかかげ、「クリスタル。力を」と、唱えるように言葉を発する。
その言葉の数瞬あと、まばゆい光が部屋全体を包み込んだ。

「!」

あまりのまぶしさに、青い光から目を閉じる。

「この未来は…まだ私とアドレーヌさんとメタナイト様しか見ていません」

リボンの悲しそうな声が、光の中から聞こえた。
クリスタルは、部屋の中を未来の景色に展開させる。
光が収まり、目を開けた時は、さっきまでの部屋とは全然ちがう景色の
中にいた。

「な…なんじゃこりゃあ!?」

最初の声は、トッコリだった。

「なにこれ!?」

次にカービィ。

「これは…いったい…」

その次に、フーム。

デデデとエスカルゴンにいたっては、恐怖で言葉すら出せなかった。



死。
死んだ世界。
そうとしか表現できない。
何もない。
無の空間。
無。
終焉。
終わっている。
終了。
まるで、この世から切り捨てられたような存在。
生命のない。
ひどい。
ひどすぎる。
見ていることがつらいくらい。
荒廃しきっている。
建物も何もない。
森もない。
川もない。
地面が黒い。
空も黒い。
黒い霧が立ち込めている。
もちろん、生命がいるわけでもなく。
ない存在。
終わった存在。
狂った世界。
プププランドが滅びている。
完膚なきまでに。



「これが…プププランドの未来です…」

リボンが今にも泣き出しそうな表情で言った。
アドレーヌは、うつむいて唇をかみしめている。
メタナイトはいつも通りのポーカーフェイスだが、内心とても驚いているに違いない。

「なによ…これ…」

フームが信じられない様子で言った。

「これが…プププランド…?」

平和で美しかったプププランドは、終わっていた。

「嘘…でしょ…?」

フームはショックのあまり、ヘナヘナとしゃがみ込んでしまう。

「ごめんなさい…!本当なんです…!」

リボンは耐えきれなかったのか、アクアマリンのような瞳から、大粒の涙をこぼしだす。