二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 運命の車輪 ☆参照700突破★ 完結間近!!  ( No.225 )
日時: 2011/05/06 21:14
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)

第15章  ドロッチェ団



☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡


「すぴ…ん?」

「そうだ。たった今からお前の名前は『スピン』だ。いい名前だろ」

「…いい…名前…」

「俺が頭ひねって考えた名前だ。大事にしろよ」

「…スピン……━━━━━━が、スピン…」

「おいおい自分のことぐらいは……そうか…あとで一人称についても教えてやんないとな」

「?」

「いや、こっちの話。わけわかんないこと連発されても頭がこんがらがるだろ」

「…へんなの」

「失敬な。これでもお前らのこと考えてんだぞ。スピン」

「…う、ん?…」

「クエスチョンマークついてるぞ、ハハハ…、さて、次は……お前だ。お前は『ストロン』だ」

「…?」

「たった今から、お前の名前は『ストロン』」

「…へ?」

「お前の名前は、『ストロン』。いい名前だろ」

「…ストロン…」

「意味もちゃんと考えてるんだぞ。ストロンは、外来語の『強い』と言う言葉の短縮なんだ。…まあ難しいから忘れとけ」

「…ふぅー…ん」

「大事にしろよ。さてと…そっちの……ちっちゃいグルグルメガネ。お前の名前は…」

「ドク」

「…お?」

「わしの名前は、ドクじゃ」

「…こりゃあ驚いた…!子供ではなく、おじさんだったとは…!」

「よく言われるから、慣れとる…」

「面目ない。すまない。勘違いをしていた」

「まぁよい、わしの頭脳は破綻しておるから、子供のようなものじゃ」

「なぜだ?」

「今はこうして話していられるが、じきに、意識がとぶじゃろう。そしてお前のことも、こいつらのことも忘れる」

「…精神系か?」

「そんなものか…?」

「なぐられた」

「…ストロン?」

「なぐられた、の、知らない、やつに」

「…じいさん、あんた誰かに殴られたのか?」

「そうじゃ。そしてこのざまじゃ。一定時間の記憶は覚えられるが、意識が突然飛ぶと、すぐに全ての記憶がパアになる」

「そうか…」

「悪いなぁ、本当なら、わしがこいつらを養わなけりゃならないのに、
それすらできる余裕がなかった…」

「あんたがここまで、こいつらを守ろうとしていたんだな」

「しかし、できなかった…」

「それは違うな。できなかったとはいえ、守ろうと、養おうと思えることはよいことだ。ただでさえやっかいな後遺症を持っているなかでそう思えたことは、すばらしいことだぞ、ドク」

「…」

「…もしかして、呼び捨ては嫌か?」

「いや、よい。少々なつかしいような気がして…」

「昔の記憶は、体に染みついてるものだ」

「…ねえ…」

「?どうしたスピン」

「あいつら、も、名前」

「む、…そういえばチューリン族を見るのは初めてだったんだ…しかしたくさんいるな、今更だけど」

「つれて、いかないの?」

「バカ、最初に言ったろ?皆つれていくって」

「よか…ったぁ」

「当たり前だ。さて、チューリンどもー、俺の前に一列に並べー…じゃあお前がファース、お前がセカン、お前がサード、お前がフォース、お前がフィフス…━━━━━━━━━━━━━━━━━」

「…ねえ」

「で、お前が…━━━━━━━━なんだ?」

「…あり、がと?」

「!」

「スピン、あなたに、ありがと」

「…言葉遣いはマチマチだが、ちゃんと気持ちなら伝えられるじゃねえか」

「…うぎゅ」

「よしよし」

「…?」

「お見事だ━━━━━━━━━━━はい次!お前は…」

「…」



☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡


「見ろ!俺の成果を!」

「すごい…キラキラしたものがいっぱい…」

「すごー…」

「ふむふむ…」

「いずれお前らにも、この作業してもらうぞ」

「…これ?」

「そう、これ。盗み」

「…うん」

「あ、ちなみに、悪事はしたくないと思うやつは、無理してしなくていいぞ。しないからといって、俺はお前らを見捨てたりはしないからな。正直にー挙げて━━━━━━━━━━━━━いないのか?」

「だって、団長がしてるから」

「?」

「団長がしてるから、やってみたい」

「そういうことか、なるほど」

「…だんちょー…うれしそう」

「!…まあ…一応は…」

「照れてますね…」

「違うっ!これは決して照れているのでは…!」

「嘘じゃな」

「…!」

「アハハハハハハハ!チューリンたちも皆、笑ってる」

「話がずれてる!戻すぞ!!」

「いいわけー」

「そういうことではない!…ゴホン!いいか?これからは俺がいろいろと盗賊としての技術を教えてやるから…!」

「技術?」

「慣れればいける。難解なのが多いけどな」

「ふぅん…団長…団長はなんで盗賊をしてるんですか?」

「…そういわれてみると…なんでだろうな…」

「そこ重要じゃ」

「うーん…そうだな…珍しい物が好きだから…か?」

「ほー」

「…あとは、お前らに、いろいろな物を見てもらいたいから…とかな」

「…いろいろな物?」

「だってお前らは、ほとんどの物を見てないだろ?」

「…」

「この世のたくさんの物で、美しい物とかは、見たら結構感動するものだぞ?人生は楽しまなきゃ損だ。どうせなら綺麗な物見て感動したいだろ?」

「…」

「…わからなくてもいいんだ。ただ、覚えていればいいんだよ」

「…えーっと…こういう時に使う言葉は…意味不明?」

「…いずれわかるさ…たぶん」



いつかの、お話。

大切な、お話。

いつまでも、忘れない、お話。






ずっとずっと…






ずうっと…






忘れませんよ…