二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.23 )
- 日時: 2011/03/26 11:39
- 名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)
「クリスタルの先見は…!当たってしまうんです…!真実なんです…!
私…!ポップスターの未来を見ようとしたら…これを見つけてしまって…!」
「嫌よ…こんなの嫌よ…」
フームは、否定するように首を振る。
「ああ…わしのプププランドが…!」
「あんたのじゃないけど…これは…ひどすぎる…!」
デデデよエスカルゴンも、今にも泣き出してしまいそうだった。
「い…一体何でこんなことに…!」
トッコリはリボンに問い詰める。
「わからないんです…!ごめんなさい…!クリスタルは、先を見るということしかできないんです…!なぜこうなってしまったのか…!検討がつかないんです…!ごめんなさい…!」
クリスタルの力が切れたのか、部屋がもとの景色に戻る。
しかし、一同の陰鬱な雰囲気は戻らなかった。
皆、黙り込んでしまった。
ひどすぎる未来に圧倒したのか…。
「なあ…やばくないかよ…これ…」
やっと重い口を開けたのは、トッコリだった。
カービィの方を向いて、問いかける。
カービィは、戦慄したように、立ちすくんでいた。
「これが…プププランド史上…最大の危機…」
そう、ポツリと言った。
「…ってなんでそれをお前は知ってたんだ!?」
トッコリは、思い切り声を荒げた。
その大きな声に驚いたのか、一同は顔を上げる。
「へ…?トッコリ…?」
「お前なんでそれ知ってたんだよ!寝ぼけてたのか知んねえけど!今朝独り言であーだとーだ言ってたじゃねえか!」
「!トッコリのさっき言いたかったことは、それだったのね!」
フームは納得したように、手をうつ。
「なんでトッコリ、ボクの見た夢のこと知ってんの?」
「夢?夢だか何だかしんねーけど、おいらを踏んずけて言ってたことは確かだぞ!」
カービィとトッコリの話に、一同はあっけを取られる。
「…何の話なのか分からない…説明してくれ…」
と、メタナイト。
「夢?カー君の?」
と、アドレーヌ。
「とりあえず落ち着いて話すでゲス。まとまらないゲス!」
カービィは、今朝見た夢のことを、一同に話した。
「ふむ…つまり誰かがカービィの夢に魔法をかけて、マルクを呼び出しこの未来のことを伝えさせたということか。偶然にしてはできすぎている…」
メタナイトは思考する。
「うん。なんかよくわかんないんだけど…ボクは、かく…なんとか夢を見ていたらしくて、姿はない声だけの誰かに…ここは夢で、今会いたい人は誰?みたいなこと言われたの」
「その声の人が、カー君の夢に魔法をかけた術師なんじゃない?」
アドレーヌは、不思議そうに首をかしげる。
「でも…何のためにカービィに伝えたのかしら…」
フームも悩んでいた。
「カービィにはこの未来を変える力がある…だからカービィに術師はいち早くこの未来のことを伝えた。…とは考えられないか?」
メタナイトは、自分の考えを口にした。
「それは…ありえるよな!」
トッコリはメタナイトの意見に納得した様子だった。
「もし、この未来が誰にも止められないものだとしたら…複数に夢を見せて…プププランドから逃げ出すほうが最適…ではないか?」
「確かに、一人がこのプププランドは滅ぶ!なんて言ってもそう簡単には信じないでゲスしな」
「じゃあ未来を変える方法はあるの!?」
フームは希望を見つけたのか、声の覇気を取り戻し、勢いよく立ち上がる。
「リボン殿。未来を変えるということは、可能なものなのか?」
メタナイトはリボンに問う。
リボンは「はい」とうなずく。
「しかし、クリスタルの未来はこのままでは逃れられません。なにか、クリスタルすら予言できないような、この未来とは大幅に違ったことをすれば…可能です。その時着る服を変える…とかではダメですけどね」
「じゃあ希望はまだあるんだ!」
トッコリとフームは嬉しそうに言う。
「でも…ボクに可能性があるって言っても…ボクは未来を変えるやり方とか何も聞いてないよ?」
カービィは困ったように言う。
すると
「い…意見を出してもいいかもぞい?」
さっきまでずっと黙っていたデデデが挙手をした。
「考えたんだが…この未来…リップルスターで起こったことに…似ていないかぞい?」
「あ」
「あ」
「あ!」
デデデの意見に一同は、はっとさせられた。
「確かに…リップルスターもこんなふうに、霧が立ち込めてたりしてた
よ!」
アドレーヌは納得したように言う。
「だからつまり…リップルスターでは、クリスタルを奪われて、こうなってしまったのだから、ポップスターにも何か…クリスタルのような秘宝的存在があるんじゃないかぞい?」
「それは…十分にありうる!」
メタナイトは、決定的な革新をもったようだった。
「じゃあなにかプププランドの秘宝が危機に陥ってるかもしれないのか
!」
「でも…そんな秘宝なんて聞いたこともないでゲスよ…」
「そうだ!カブーならなにか知ってるんじゃない?」
フームは、このプププランドの太古から生きる、物知りなカブーのことを思い出す。
「さえてるじゃねえか!大王!」
トッコリに褒め言葉を言われた大王は、にんまりと笑う。