二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 運命の車輪 ☆参照800突破★ 完結間近!!  ( No.256 )
日時: 2011/05/09 21:32
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)
参照: ドロッチェ団は永久不滅だよ!ずっとずっと!!


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「ハァハァ…!」

カービィは走っている。
一心不乱に。
とても走れる体ではないのに、懸命に走っている。
プププ城に向かって。
走る。
走る。
地を蹴る。
地をはねる。
地を駆ける。

「ハァハァハァ…!」

息がすぐにもたなくなる。
呼吸しても呼吸しても、空気がとどかないのか、猛烈に苦しくなっていく。
息を吐こうとしても、うまく吐き出せない。
右足が悲鳴をあげている。
それでも走る。
走る、走る。

「ハァハァ…っ…!ファイヤアアアアアアアアア!!!」

変な掛け声をあげて、疾風のようにプププランドを駆け抜ける。
ブレーキはどこかに、なくしてしまったようだ。


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「お前ら、今回の件は、全て俺の責任だ。すまなかった」

ドロッチェが、患者衣の上に直接、ボロボロになった赤マントを羽織っている。
スピンに支えられながら、ベットから立ち上がって、ストロン、ドク、チューリンたち、ドロッチェ団メンバー全員を集結させていた。
医療室が広くて、全員入りきることができたが、それだけでほとんどのスペースが余らなくなってしまった。

「もともと、秘宝を手に入れようとした時点で、俺が間違っていた。その間違いに最後の最後まで気が付かなかった。俺のわがままにつきあってもらって、すまなかった。俺のせいで、怪我した奴が数多くいる。俺は団長失格だ」

「はぁ?何を言っているんだお前は」

ドクが強引に相討ちをいれた。

「団長失格だ〜?アホ。お前以外に誰が団長やるのだ」

「だんちょー…団長が団長じゃないと駄目ー」

「だ、団長が団長です!」

「チューリン組は!団長が団長じゃないと認めません!」

「オ、オイラもみんなと同じく!!」

一味は、ドロッチェが団長でないといけないと激しく主張している。

「ボクたちチューリンは!団長が助けてくれなかったらみんなのたれ死んでいましたよ!」

「団長がいたから!皆生きていられるんです!」

「名前もくれた!」

「失格なんかじゃない!」

「団長は悪くない!」

「ドロッチェ団は団長が団長じゃないと成り立ちません!」

チューリンたちがせわしくドロッチェを説得している。

「ほれ、ドロッチェ。お前がやっぱり団長として勤めないとな」

ドクがニヤニヤと笑っている。

「だんちょードクのいうとおりですー」

ストロンが面白そうに笑う。

「ほら!ドロッチェ団は団長が必要なんですよ!」

スピンが嬉しそうに笑う。

「団長!!!!」

一味全員が、声をそろえて、ドロッチェを呼ぶ。
深い絆の、証だ。

「み、皆、え?い、いいのかよ?」

一番困惑しているのは、当の本人ドロッチェだ。

「ほれ!ビシっと決めろ」

ドクに目上に指示され、ドロッチェは恥ずかしそうに、顔を赤らめながら、1つ咳払いして

「お、お前ら、これからも俺についてきてくれるか?」

そう一言、言った。

返事は

「当たり前じゃないですか!何言ってるんですか!一生ついていきますよ!我らが団長!!」

皆がみんな、笑顔でドロッチェを迎え入れる。

「うれしいこと言ってくれるじゃねえか…お前ら…」

感動したのか、ドロッチェは自然に顔をほころばせてしまう。

「じゃあ今回の失敗作戦の締めくくりに、団長であるドロッチェに『あれ』を開けてもらうか」

「!?ドク!てめえ…!まさか…!」

「宇宙船に戻ったら。ドロッチェの秘蔵ワインを開けてもらおうか」

「ふ、ざけるなぁ!!あ!あれは俺のワイン…!!」

「いいじゃないか」

「よくない!いてて…!」

「団長寝た方がいいんじゃ…」

「いや、いい…もうこの星にはいられないからな」

ポップスター。
ここにはもう、いられない。

「一同聞け!今から宇宙船に戻るぞ!怪我人は担いでいけ!」

そして、ドロッチェ団は撤収しようと、その場から離れようとする。
しかし、できなかった。
なぜなら…


「ドロッチェだあああああああああああああああああん!!!」

猛スピードで、部屋の中にカービィが突入してきた。

「!?」

一味の表情が驚愕に変わる。

「ゼハゼハーゼ−ゼーゼーゼー!!」

やや過呼吸に陥りながらも、カービィは、まっすぐな瞳で、ドロッチェを見つめる。

「ねえ!ボクと友達になって!ハーハー」

屈託のない、素直な笑顔で、カービィが笑って手を差し出す。

「君たちはもう!ボクの仲間だよ!

ポップスターを救ってくれてありがとう!

本当に本当に!ありがとう!!」


もとは敵同士。
だけど、こうして、つながりを求めるものがいる。

これは滑稽なことだろうか。
これはおかしいことだろうか。

ドロッチェは、突然の乱入に最初は驚いたが、今は非常に心が落ち着いている。

体中の傷が、痛い。
それでも、心は落ち着いている。

「ドロッチェ!君とボクは!友達だよ!」


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「ボクは『もう友達だ』よ?ドロッチェは一緒に戦ってくれた。ボクを信じて守ってくれた。もう友達だよ!大切な友達だよ!許すも許さないも関係ないよ!だってドロッチェは悪くないもん!」

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そうして2人は握手する。









それは、平和の訪れを表す。







そして、ここからスタートするんだ。