二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 運命の車輪 ( No.9 )
日時: 2011/03/26 20:38
名前: 月兎 (ID: A2bmpvWQ)

 
第3章  炎紅色の燈火ともしび


トッコリは、史上最悪の朝を迎えた。
これは史上最悪の危機ではない。
あくまでも史上最悪の朝である。
詳しく言えば、最低の起こされ方をされたのだ。
トッコリはカービィに思い切り踏んづけられて起こされた。

「ぎゃおっ!?」

トッコリは自分の放った奇声と、カービィに踏まれた重みと痛みで目を覚ました。

「おおおお?!おお!?おおおおお!」

突然のことだったので、パニックで何がおこったのかさっぱりわからないで、動揺する。
そのパニックで、空色のベッドから墜落するように落ちてしまう。

「あでっ!!」

床に墜落し、またも痛みを味わった。
ようやくトッコリはその痛みで動揺をといた。
トッコリはすばやい動きで、さっきまで自分がいたベッドを振り返る。
激しくひっくり返った星柄の布団、今にも落ちそうな星柄の枕。
カービィは・・・いない・・・・。

「・・・・カービィいいいいいいい!てめえええええええ!よくもおいらを踏んづけやがったなあああああああああ!!」

トッコリは自分がカービィに踏んづけられたのを自覚し、ものすごい剣幕で家を飛び出す。
・・・家と言ってもカービィの家ですけどね。


☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡


カービィは家のすぐそばの丘の上にいた。
まだ霧がかかった朝の空を高く見つめていた。
トッコリは、怒鳴り散らして口ばしで突っついてやろうと思っていたが、カービィの儚い表情を見て、思わずカービィのすぐ隣まで来てその場で静止した。

「おいカービィ・・・何やってんだよ、こんな朝っぱらから・・・」

トッコリが呼びかけるが、返事がない。

「おいカービィ・・・どうしたんだよ」

トッコリは踏みつけられたことも忘れて、心配そうにカービィを呼ぶ。
当のカービィは、藍色の淡い瞳を少し得るわせて

「マルク・・・・」

と、ただ一言だけ言った。

「は?・・・・マルクぅ?」

トッコリは思考した。

(誰だよマルクって・・・プププランドにはそんな名前の奴いねえぞ、誰だ・・・?でも、なんか聞いたことがあるような・・・・マルク・・・
マルク・・・・・・・)

『このプププランドはぼくのものサ!』

『誰にもぼくの気持ちなんて理解していないくせに!』

『お前らみたいな奴ら!みんな死ねばいいのサ!』


(『愚かな道化師マルク』!そうかマルクって半年前にこのプププランドに来た奴か・・・・!は?カービィの奴、どうしてあいつの名前なんかを?)

「マルクったら、ボクは君には殺されないよ」

カービィは目をつぶって、手を空に掲げるように上げた。
うれしそうにニコニコ微笑んで。

「プププランドの史上最大の危機・・・・どんなんだろうね。でもボクが止めてみせるよ。絶対に」

そうしてカービィは目を開いて、自宅に戻ろうとしたが。

「うわあああ!?」

「・・・・っ!?」

カービィは自分のすぐそばにトッコリを見つけて、驚きのあまり、丘か
ら転がり落ちてしまった。
トッコリもトッコリでかなりビックリしたが、半分以上はカービィの悲鳴のせいだった。

「トトトトッコリ!?いつの間に・・・!」

丘から転げ落ち、朝露に濡れた草の中で驚きの表情を見せる。

「いつの間にって・・・お前・・・5分以上はそこいたぞコラ」

トッコリの予想どうり、カービィは今の今までトッコリの存在に気づいていなかったのだ。

「あれ?おっかしいな・・・トッコリボクが起きた時はまだ寝てたはずなのに・・・・」

「お前に踏んづけられて起きたんだあああああああ!!」

トッコリは朝っぱらからカービィに怒りをあらわにした。

「へ?ボク踏んでないよ?」

「寝ぼけてんじゃねえよ!ボケッ!」

「枕なら踏んだけど、ベッドから降りるとき」

「貴様ああああああ!このトッコリ様を枕と勘違いしたのかああ!?」

「・・・あは♪」

「とぼけるなああ!!」



朝日がまぶしくプププランドを照らした。
朝露が光に反射してきらめくプププ平原に、朝っぱらから怒鳴り声と笑い声をだしている二人組が、ほのぼのと駆け回っていた。

「でも、マルクの言ってた「  」って・・・?」






   当たり前の日々。

 平和な日々。
 
     幸せな日々。

   それが








崩れる。

        
           粉々に。



  ずたずたに。

  
          ぐちゃぐちゃに。




終わる。



   いつしか邪悪な魔法使いがそうしたように。





そう、これで・・・・・・・・。