二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 異世界リンク! ( No.4 )
- 日時: 2011/04/10 22:07
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: CrVsa58M)
「じゃあ、異世界へ行く方法を説明するんだも」
そう言うと、プーニカは自身の身長の半分近くはありそうな本を取り出した。
「えーと、異世界へ行く時は『リンクしている場所を探している場所を探して、そこを刀とかで斬れば扉が出現するかも☆』————出典、簡単!異世界旅行の手順」
「出典!? 出典があるのにそんなにアバウトなのか!?」
しかも、出典図書のタイトルもかなり胡散臭い。
本当に大丈夫なんだろうか。
「問題ないも! この本はプー達、エルフの世界では大ベストセラーだし、他の子もやってたけど大丈夫だったも♪」
プーニカが俺の疑問に答えてくれた。
結果として不安を煽られただけな気がするが、そこは気にしないことにしよう。
「で、その扉がある辺りに目印とかないのか?」
異世界へ続く扉は目に見えないものであるが故に手探り状態で探すのには限界があるからな。
「もちろん! その近くは非科学的に光り輝いているんだも!」
「おい、『らしい』ってなんだよ」
そんな不確定要素がたっぷりな計画に他人を巻き込めるプーニカは悪い意味で凄いと思う。
「で、1つ目はあそこにあるんだも」
プーニカが俺の言葉を無視して、背後を指差す。
プーニカが指を差していた方向を見ると、確かに地面から大量の光が零れだし、キラキラと輝いている。
うん、さっきの言葉は嘘じゃなかったみたいだな。
「っていうことは、ここら辺を斬ればいいのか?」
腰に吊ってある刀を抜き、その切っ先で地面の光っている部分を示す。
プーニカが頷いたのを確認してから、刀を地面に突き立てる。
そして、そのまま、横にスライドさせるようにして一閃する。 流石は地面、めちゃくちゃ固い……!!
「開いたんだも!」
プーニカが俺が斬った部分の地面から携帯の着メロのような軽い音を立てながら現れた扉を見て、ピョンピョン跳ねながら喜ぶ。
なんか、誰かが『ドッキリ大成功』と書かれている立札を持ってきてくれそうな雰囲気だ。
「さぁ、早速行くんだも!!」
「え? あ、わぁぁぁぁぁっ!?」
プーニカが突然、俺の手を引っ張り、扉の中に放り込む。
一体、何の罰ゲームだというんだ!?
日ごろの行いが悪いとでも言うのか、この野郎!!
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「ん……」
「やっと起きたか。 おい、大丈夫か? あーと……幼女誘拐犯」
俺が目を開けると見たこともない人と風景が視界に入った。
最初に声をかけてきた奴は、着物的なものを着崩し、何故かブーツを履き、木刀を吊った銀髪の男だった。
今日は仮装パーティーのようなイベントでもやっているのだろうか?
「おっ! 起きたアルか、幼女誘拐犯」
今度はオレンジ色の髪を両サイドの髪留めでまとめているチャイナ服を着ている女の子が出てきた。
その後ろには、着物姿の眼鏡も見える。
「プーニカは何処だ?」
周りを見渡しても居なかったため、3人に尋ねる。
「やっぱり、お前が誘拐犯だったアルネ! ホワッチャーーーーッ!!」
「ぶべらっ!?」
チャイナ服の女の子が突然、俺の顔面に跳び蹴りを入れてきた。
え!? 何で俺、出会いがしらに跳び蹴りされてるの!?
「神楽ちゃん、ダメなんだも! 蓮をあんまり虐めちゃダメなんだも!」
プーニカが神楽と呼ばれたチャイナ服の女の子の服の裾を掴んで止めた。
止めてくれるのは有り難いが、元はと言えばこいつが悪いと思う。
「プーが言うならしょうがないネ。 命拾いしたなロリコン」
神楽が渋々といったような表情だが、諦めてくれた。
さりげなく、プーニカがある程度の地位を確保している辺りが非常に腹立たしい。
「俺は幼女誘拐犯でもなければ、ロリコンでもない」
「いや〜、無理に意地とかはら無くてもいいぜ? 別に俺たちは引いたりしないからよ」
「そう思うなら、少しずつ後退していくのを止めてくれ」
銀髪の人が自分で言ったにもかかわらず、どんどん俺との距離を置いていく。
これは新手の虐めか何かだろうか……?
「そうだ! 銀髪のお兄さん、まだ名前を聞いてなかったんだも! あ、プーはプーニカ・マールスって言うんだも」
「俺は雲雀蓮だ」
プーニカに続いて自己紹介をする。
すると、すぐに銀髪の人が口を開いた。
「俺? 俺は坂田銀時だ。 この万事屋銀ちゃんのオーナーだ!」