二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 異世界リンク! ( No.5 )
- 日時: 2011/04/11 22:34
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: CrVsa58M)
「万事屋銀ちゃん……?」
万事屋って何?
なんで自分の名前(というか愛称?)を店の名前につけちゃったの? 店の名前に自分の名前をつけるのはファッションブランドで充分だ。
「そうだ。 簡単に説明すると便利屋みたいなモンだな」
便利屋ねぇ……。
大掃除とか蜂の巣の駆除とかそういう雑用系の依頼くらいしか来なさそうだなぁ。
「しかし!」
「しかしなんだも?」
万事屋のオーナーである銀時がわざとらしく言葉を切ったため、プーニカが先を促した。
「今日はこの巨大な狛犬、定春の調子が悪いからな。 午前中は仕事は休みで動物病院へ行く」
え? 何?
ここはドリフ○ーズのようにわざと転んで笑いを取るところなのか?
それとも、「期待はずれだ」とか言いながら苦笑するところなのか?
「まぁ、とりあえず、ついて来い」
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俺は銀時に言われるがまま、動物病院までついて来ている。
定春はさっきまで診察やらレントゲン撮影やらをしていたが、一通り終わり、今は結果待ちといったような状況だ。
「定春くんの飼い主さーん。 診察室Aにお入りください」
受付のお姉さんのアナウンスの指示通り、診察室Aに入る。
「定春は無事アルか!? 助かるアルか!?」
入るや否や神楽は担当の獣医さんの胸倉を掴んで激しく揺さぶった。
獣医さんがかわいそうだ。
「大丈夫ですよ。 なんか異物が消化できてないらしくてね」
獣医さんが机の上に置いてあるファイルをパラパラとめくり、レントゲンの写真を取り出した。
「皆さん、定春くんに変なものとか食べさせましたか?」
「基本、ドックフードしかあげてませんよ」
銀時が死んだ魚のような目のまま答えた。
「あ、じゃあ、散歩の間とかに拾い食いしちゃったんだね〜。 犬は飼い主の知らないところで信じられないものとかを口にしてたりするからね」
獣医が「定春くんは大きいから特に気をつけて」と付け足した。
隣に座っているプーニカは異物を食べてしまった理由に感心したらしく、「知らなかったんだも」と感嘆の声を漏らしている。
「で、その影なんだけど」
獣医が机の上に置いてあったファイルをパラパラとめくり、定春のレントゲン写真を取り出し、見せてくれた。
「コレなんだけどね、分かる? 何の影だろうね〜」
————————————問題の異物の影の形は人の手の形をしていた。
って、えぇ!? この犬、人も食べるのか!?
確かにさっき、めっちゃ頭をかじられたけどさ……!!
っていうか、定春が本当に人を食べていたとしたら、警察に事情聴取とかされて、身分証の無い俺は一生牢屋なってしまうかもしれない……。
そんなのは絶対に嫌だッ!!
「「「いや、大丈夫です」」」
俺と銀時、そして万事屋の雑用係(別名メガネ)が同時に言った。
銀時とメガネも警察行きは嫌なようだ。
「え? 何で?」
獣医が不思議そうに尋ねてくる。
「吐かすぐらいなら俺たちだけでも出来るんで!」
銀時が全力で定春のリードを引っ張りながら言う。
「でも、吐かせる時に喉に詰まらせちゃったら大変だし、場合によってはお腹も切らないといけないかもしれないし」
獣医が引き止めてくる。
「大丈夫です! 俺ら、侍なんで腹切るのとか得意なんで!」
「そうだ! 俺が腹切るんで警察だけは勘弁して下さい……!!」
「僕も覚悟は出来てます……!!」
銀時、俺、新八の順番に獣医にまくし立てる。
「見当違いにもほどがあるんだも」
…………結果としてロリに突っ込まれた。
俺、泣いてもいいかな?
銀時が定春を引きずって連れ帰るために獣医の制止を無視して、リードを思いっきり引っ張り続けている。
あっ! でも、そんなに引っ張ったら——————————
案の定、定春の口から手が出てきた。
結構、ホラーな光景だ。
「何か出てきたアルヨ! 引っ張ってみるネ!!」
「「「止めろォォォォ!!」」」
俺たちの魂の奥底からの叫びをスルーして、神楽が定春の口から出ている手を引っこ抜いた。