二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 春の月を狼は喰らいて【薄桜鬼】 ( No.7 )
日時: 2011/07/27 10:14
名前: まろんけーき (ID: w0.JbTZT)



∮〜prologue〜


 土方side



 お前が春の空に輝く月ならば

 俺は月に向かい吠える狼。

 牙などは剥き出しのまま

 日々獲物を探し、裂き、喰らい。

 鮮血にまみえる 兇刃の鬼。

 月に跳びつく術など知らず

 ただただ吠える。

 もし

 この暗闇の中、跳ぶ術を見出せたとして。

 はたして 俺は

 本当に 地を蹴るのだろうか。

 もし

 この塵でしかない地を蹴って、月に近づけたとして。

 はたして 俺は

 薄血に汚れたこの口で

 “お前を愛す”と告げれるだろうか。

 もし

 この夜空に輝く月が、俺の敵となってしまったのなら。

 はたして 俺は

 愛を告げた この口 この牙で

 月を切り裂くことが 出来るのだろうか。