二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 欲望Vortex【イナイレ、ボカロ短編集】 ( No.17 )
日時: 2011/07/20 11:48
名前: 藍蝶 (ID: UgVNLVY0)
参照: 夜桜リク.《うわぁぁぁ御免なさいぃぃぃ石投げないであぁ(》

「眼帯ペンギン、リボンペンギン」


それは、とある炎天下に晒されたグラウンド。
一人の少女が眼帯少年に駆け寄る。

「佐久間ー!……さんっ!お疲れ様です!」

そう言って真っ白なタオルを渡す。端っこには青いペンギンがプリントされている。
マネージャー、夏夜乃は他にも順番にタオルを渡していく。
ここ、帝国学園の選手は見た目が実に個性的である。
ゴーグルドレッドマントだったり、ライオンだったり、小さい眼鏡に目が収まってたり、デコ見だったり。
佐久間も意味があるのかないのか、眼帯をしており、その上大のペンギン好き。
だから、

「佐久間……さん、今度水族館行きません?ペアチケット手に入れたんですよ〜」
「いや、でも塾が……「ペンギンフェアですけど?」行く!行く行く行く!」


そんな訳で。
某水族館に来ました。
勿論ペンギンフェアは嘘ではありません、本当です。現に様々の種類のペンギンがそこらを歩いています。
特に女性に人気が高いペンギンの行進。佐久間までその人混みに混ざっていきました。

「ペンギンー!」
「わーっ!佐久間ストップ!ハウス!」


数十分後。

「つ、疲……れたぁ……」
「ペンギン色々居たなっ!可愛かったぞ!」
「はいはい……保護者にされて注意される身になってから言ってください」

夏夜乃はすっかり疲れ切っていた。
反対に佐久間はエネルギーチャージ。もう溢れる程に溜まっている。
保護者にされ、警備員に注意され、ペンギン土産コーナーへと連行される夏夜乃の顔は、死んでいるに等しかった。

「なぁなぁ、これ可愛くないか!?」
「紫ペンギン?……某必殺技?」
「じゃあコレ」

そう言って佐久間が手に取ったのは目つきの悪い紅ペンギン。

「佐久間……お前、自ら黒歴史を……」
「いやいやいや、冗談冗談」
「そう?じゃあコレは?」

夏夜乃が指差したのは眼帯した水色ペンギン。

「俺ですか」

思わず苦笑いしてしまう佐久間。

「あー違う違う、お前はコッチ」

差し出したのは眼帯ではなく首にリボンを巻いたペンギン。

「私はコッチ貰うから。佐久間はそれね」
「?……あ、分かった!ペンギンフェアに連れてった恩を忘れるなって事か!」
「当たり〜」

こういうやり取りは帝国で普通に行っているものだが、周りから見ればほのぼのカップルですね。

その後恩を忘れた佐久間君。3時間みっちり正座させられました。