二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 欲望Vortex【イナイレ、ボカロ短編集】蟻様、リク完了です ( No.36 )
- 日時: 2011/08/03 10:50
- 名前: 藍蝶 (ID: UgVNLVY0)
第3話「移動陣と火花と堕ちたグローブ」
一方その頃円堂は。
「あれ……?出て右だったよな、で、次左……?」
迷っていた。ボリボリと頭を掻いて、
「英語?ばっかで分かんねぇんだよな、この地図」
「教えてあげよっか?」
「のわっ!?あ、秋!?」
後ろから突如現れたのは紛れも無く秋。いや、この世界でいくとアキ。
「ふふ、ナツミさんから聞いてるよ。向こうのドルビア君なんだって?ホントに似てる……顔だけね」
少し笑って地図の意味を教え始めた。
「これは”薔薇の書斎”。Study of roseって書いてある所ね?円堂君……だっけ。貴方が探しているのはここね。全く、ドルビア君ならこんな地図の解読、朝飯前よぉ?」
そう言って..machine of purge.. roomと書かれた場所を指す。今円堂がいる場所とは正反対だ。
「うわ〜……遠い……よし、行くか!」
「あ、待って!」
アキが円堂の服の裾を引っ張った。
「何だ?秋」
「アキ。走るのはこの学園では禁則よ。それにもっといい方法があるわ」
「いい……方法?」
「そう」
それだけ言うと、アキは何やら白インクのボールペンらしきものを取り出し、おもむろに床に何かを描き始めた。
「アキ……何だ?コレ」
「移動の陣。もうちょっと……出来た!」
途端にそのアキ曰く「移動の陣」が輝きはじめた。
「さ、乗って」
押されながらも陣に乗る。円堂はそこで一つ、疑問を抱いた。
「あれ?アキは乗らないのか?」
「えぇ。私、この先の薔薇の書斎に行くの。じゃあね」
その時、円堂の体は陣と共に消えた。
「さて、行くかぁ」
ー粛清の機類室前ー
《キイィィィィィン》
真っ白なドアの前に、真っ白な魔法陣が現れた。
そこから生えるように出てきた円堂。
「うわぁ、すげぇっ!瞬間移動って奴か!」
自分の身に起こった事についてドキドキしながらも、機類室のドアを開けた。
《バチバチバチッ!!》
「うわぁっ!」
突然飛んできた火花。それに驚いて軽くよろけながらも両手をメガホンの形にして、
「おーいっ!ワミガリスって奴ーっ!いるかーっ!?」
いるかーっ!いるかー!いるかー←エコー
ほどなくして、返答は返ってきた。それも人一倍元気な。
「ハーイ!いかにも、ハルナ=ワミガリス!それって私の事ですけど!?」
「春奈!?いや、ハルナか!俺円堂守!俺のグローブ返してもらいに来たんだーっ!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ 。
返答がないな、と思ったら奥から誰かが出てきた。
青いボブの髪を揺らしながら赤色のゴーグルをクイッと上に上げて、
「グローブですねっ!?はい!お返しします!」
こちらのハルナは妙にテンションが高いようだ。その手には少し焦げたグローブ。
円堂的にはもっと酷い事になってるのかも、とさっきの火花を見て思っていたらしく、内心ホッとしている。
「有難う!えっと、ハルナ!」
で、手に取るとボロッと灰になって崩れ落ちた。
「……ハァァァルナァァァァ……」
「きゃー!……バレちゃったか」
てへぺろコツン、とまぁそんな感じで軽く自分の頭を叩くハルナであった。