二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Sなアイツにご用心!! 【イナGO】 ( No.10 )
日時: 2011/08/05 13:40
名前: 奈義沙 (ID: Ru7e1uoX)

 聖那は、とにかく退屈だった。

 歴史なんて興味ないのだ。

 昔の人がどう暮らしていようが、聖那にとってはどうでもいいことだ。

聖(眠いな)

 先生に見つからないように、小さく欠伸をした聖那は今朝あったことを思い出してみることにした。



 考えてみれば、今朝から色んなことがあったような気がしなくもない。

 いきなり雷門中行けと言われるし、朝っぱらから不良殴っちゃうし、ろくなことがない。

 しかも、クラスに大のサッカー好きときた。サッカー部のやつが三人もいるなんて、飛鷹征矢の妹だって気付かれたとたんに騒ぐに決まっている。それだけは避けたい。

 ——と思っていた聖那だったが、名前を紹介した直後に『飛鷹征矢の妹疑惑』が浮上した。聖那にとっては、最悪以外の何物でもない。

 サッカーをしていた時の兄が嫌いだった聖那は、“坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”ということわざがあるように、“兄憎けりゃサッカーまで憎い”というどうも語呂が悪い言葉を作ろうかと思ったほどだ。

 特に、クラスの中のやつでもウザいと思ったのが松風天馬だ。

 飛鷹の苗字を聞いた瞬間、ピクリと髪を揺らしながら反応した。

 その反応で、「あ。こいつ、サッカー好きだ」と一発でわかった。

聖「?」

 不意に、隣から紙切れが回ってきた。どうやら聖那宛てのようだ。

聖(なんだろ?)

 不思議に思い、見てみるとそこにはまるっこい字が並んでいた。そこには、『飛鷹さんって、あのイナズマジャパンの飛鷹さんと関係あるの?  松風天馬より』とあった。

聖(やっぱりな。聞いてくると思った)

 聖那は、歴史のノートの最後のページの端っこを静かに破り、そこに『別にない。あっても言いたくない 飛鷹聖那』ときちんとした明朝体で書いた。

 隣の人に渡してしばらくすると、返信が来た。

聖(まじめに授業受ける気あるのか、こいつ?)

 とかなんとか授業そのものを受ける気がない聖那は思いながら、返信文を読んでみた。

 そこには、『そうなんだぁ…ごめんね? 変なこと聞いちゃって』とあり、最後にごめんなさいとでも言うような顔文字があった。こいつ、男だよな? と思いながら、返事を書いて隣に渡して……それを授業が終了するまで続けていた。

聖(手が、疲れた)

 十何回目かの返信を終えた時、左手の中指にペンダコができているのに気づいた。

 ペンダコを右手の親指でさすりながら、次の返信に何を書こうかを考えてた。

聖(そういえば……)

 不意に聖那は、朝会った雷門中の生徒だと名乗った少年の名前を聞いていないことに気付いた。

聖(よし。次の返信の時に聞いてみよう)

 松風天馬なら知っているだろう、と変な確信を持ちながら聖那は松風天馬からの返事を待っていた。