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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.8 )
- 日時: 2011/11/10 17:32
- 名前: 宙詩 風梨 (ID: P/D0CuiW)
01 < 再 > 〜動き出す現在、隠される過去〜
(1) 正反対の二人
ーまた神原さん授業サボったんだって。
ーいつものことだよ。将来どうするんだろうね?
「……うるさいなぁ……。」
帰りのホームルームが終わり、生徒でごった返している廊下で一人の少女が呟いた。
藤色の髪に深海のような青い目。
左手に持った音楽プレーヤーの黒と対象的に白い肌。
ー神原 結祈。鏡花学園一の問題児である。
授業に出ないのは当たり前。部活だってろくに参加していない。
さらに他中の生徒、場合によっては高校生相手に喧嘩して無傷で帰ってくる始末。
担任もお手上げ状態で最近は注意すらしないのだがーーーー…
「……おい、それ不要物だろ。」
注意してくるお人よしが一人。
ー天咲 奏始。学園一の優等生にして生徒副会長である。
「……黙れ。ウザい。消えろ。バカ奏始。」
「そりゃどうも。」
悪口をあっさり流され小さく悪意のこもった舌打ちする結祈。
しかしそんな彼女をよそに鞄から白い紙を取り出す奏始。
「……学園長……いや出雲さんから結祈へ頼まれた。」
彼女に紙を手渡し小さく言う。
は?と呟きながらもしばらく紙をみつめるとーーーー
「……へぇ、やるじゃんアイツら。ちょっとは楽しましてくれそう……。」
ーーーー薄く微笑んだ。
「さて、どうする?このゲーム、傍観者よりプレイヤーのほうが楽しそうだけど?」
「“人生楽しんだ者勝ち”……だろ?」
呆れたように、しかしどこか楽しそうに奏始が言い、結祈はさも楽しそうに笑う。
窓から入った風がふわりと二人の髪を揺らしていく。
「……見てな、僕達の力、……思い知らせてあげるよ……“父さん”……っ!!」
少女の手の中でグシャリと紙が潰れた。
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