二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫〜月下美人〜 ( No.240 )
日時: 2012/07/08 15:30
名前: このみ (ID: 7foclzLM)
参照: http://yaplog.jp/momizi89/

続き






「輝夜……ワシは、どうすれば良かったんじゃ?
自分の気持ちに嘘をついて、本当のことを言わずにいるのと……。
お主を裏切ってでも、素直でいるのと……。
どうすれば、いい?」

返事は来ないことを分かっている。
それでも、縁側で一人満月を見上げながらそう呟いてしまった。
自嘲気味に笑いながら、部屋に戻ろうと立ち上がった時————。
輝夜の声が、聞こえた。

『妾は、自分の気持ちに素直じゃない人は、好きじゃありませんよ————』

それは、幻聴だったのかもしれない。
自分の都合の良いように作り出した、幻。
それでも、その言葉を信じたくて仕方がなかった。

「ありがとな、輝夜…………」

涙を静かに。
一粒だけ、流した。







その後、組の皆と珱姫を会わせた。
皆困惑していたが、珱姫を優しく迎え入れてくれた。
雪麗を除いては、だが。

「認めないから…………。絶対に」
「あ、あのっ……」
「私は認めないから!あんたなんて…………。私が認めるのは輝夜だけなんだから!!」
「雪麗…………」

雪麗は部屋を飛び出してしまった。
それも無理はないだろう。
雪麗は輝夜を慕っていた。
彼女がぬらりひょんの女を認めることなど有り得ないのだが、それでも認めた。
唯一の存在だったのだ。

「何なのよっ……!有り得ない有り得ない有り得ないっっ!!!!
意味わかんないどういうつもりなのよぬらりひょん!!!!」

壁をドンッと叩きながら、叫ぶ。
それでどうにかなるわけではないが、叫ばずにはいられなかった。
月を見るたびに思い出す。
笑ったり、泣いたり怒ったり……。
月夜が生まれたときだって、泣いて喜んだ。
最初は好きではなかった。自分からぬらりひょんを奪った輝夜が。
それでも、好きにならずにはいられなかった。
好きだった。大好きだった。
輝夜だからこそ、認められたのだ。
なのに…………。

「なんで他の女にうつれるの?輝夜はそんな存在なの?思い出さないの?月夜もいるのに……妻と子供を見捨ててまで、自分の想いを貫くの?」

どうしようもない気持ちをぶつけることも出来ないまま、眠りにつく。
それは目が覚めても消えない。
消えることのない、ぬらりひょんへの怒り。
それを京妖怪へぶつけることになるのだが————それをまだ雪麗は知らない。




久しぶりの更新です。
なんか久しぶりすぎてもともと低い文章力(?)がさらに低く……。
マジでごめんなさいいいいいいっ!!!!