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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫〜愛してくれたから〜 ( No.4 )
- 日時: 2011/11/26 23:12
- 名前: このみ (ID: 1kkgi9CM)
第一幕 〈輝夜〉の噂
山奥の寺————
『ああ…もう明日…。明日が満月…』
そこには、怖ろしい程美しい女が縁側に座り空を見上げ、月を見つめていた。
『妾はもう————人を殺したくはないのに』
涙を流しながらつぶやいた言葉は、澄んだ空に吸い込まれるように消えていった。
江戸の街————
「聞いたかい!明日は満月だってよ!」
「ああ聞いた聞いた!だから〈寺〉には近付いちゃなんねぇ」
「近付こうものなら、美しい女に綺麗に殺される——」
「そういや、おいらの友人がその山に入って行ったんだが…」
「殺されちまうよ!!なんで入ったんだい?」
「殺されてもいいからその女に会いたい!って」
「馬鹿だねぇ!!!」
「あの山でまた死体が見つかるのかい…。ああ、畏ろしい!!!」
満月の日の前は、必ずこのような話がされた。
山奥に住む女は美しい姿で人間を襲う。
その女は満月の日に近づくたびに美しくなる。
その姿を一目見たいと、わざわざ満月の日に山に入り女を探すのだ。
自分の命と引き換えに。
「その女の名は、輝夜」
満月の日に山に入った人間たちは、死ぬ直前、輝夜の最も美しい姿をその瞳に映し死んでいくのだ。
「気になるのぉ。その〈輝夜〉という女」
ぬらりひょんはニヤリ、とわらい山に向かって歩き始めた。
輝夜がいる山に向かって————
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